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09.子宮体がん

子宮体がんの放射線治療と黄体ホルモン療法

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子宮体がんの放射線治療と黄体ホルモン療法

子宮体がんの治療は、多くのがんがそうであるように手術が第一の治療法になります。

子宮体がんは、ほとんどが腺がんですが、これらは放射線を照射しても改善に至らないものが少なくありません。また子宮頸がんに比べると、膣から深い位置にあるため、照射効果も下がり、放射線に対する感受性が低いため放射線治療はあまり行われません。

放射線は、あくまでも手術療法の補助的な役割で、再発防止のために行ったり、高齢の患者さんや肥満症、合併症などで手術ができない場合や、全身に転移し手術が不可能である場合に、行われることがあります。

手術が可能な人は手術後に放射線療法を行うことはありますが、最初から放射線療法を行うことはほとんどないということです。


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妊娠を希望する人には黄体ホルモン療法を行う場合も

しかし、妊娠を希望する40歳未満の人や早期の子宮体がんの人に対しては、「黄体ホルモン療法(MPA療法)」を選択することもあります。この療法は条件がクリアになってはじめて有効な療法なので、誰もが受けられるとは限りません。

また治療を開始しても、黄体ホルモン剤が効かない場合もあるので、その時はすぐに手術に切り換えることになります。

MPA療法は「子宮内膜異型増殖症」や、がんが子宮内膜に限局している類内膜腺がんであり、かつグレード1(G1・高分化型)の場合だけが対象になります。筋層浸潤のあるものは対象になりません。

これに対して、子宮内膜に限局しているものであっても、漿液性腺がん、明細胞腺がん、粘液性腺がんのときは、妊孕性(にんようせい・妊娠する機能)の温存はできません。また、子宮内膜に限局している類内膜腺がんであっても、G2~G3では、危険なので実施されることはありません。

40歳未満(若年性)の子宮体がんでは、ステージ1A期が33%を占めます。また40歳未満の子宮体がんの79%が、類内膜腺がんで、かつG1に該当します。

したがって、子宮内膜に限局しており、筋層浸潤のないもの・類内膜腺がん・G1という三つの条件を満たし、妊孕性温存が可能な子宮体がんは、40歳未満ではかなり少ないといえます。

まず、子宮鏡検査、内膜細胞・組織診、MRI、CTなどの検査を行います。これらの結果を参照しつつ、がんの広がりなどの状態や分化度を確認します。妊孕性温存の希望があるときは、さらに子宮内膜の全面掻爬を行い、その細胞・組織を診断し、必要に応じて超音波検査なども加え、温存の可否を検査します。

温存が可能なときは、黄体ホルモン、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)の高用量治療を開始します。

このホルモン療法により、子宮体がんが消えれば、妊娠・出産ができるようになります。その後は、厳重に経過を見ながら、妊娠・出産に備えます。

しかし、4~6か月続行しても、全面掻爬・細胞・組織診を行うと、がん細胞が残存しているときには、ホルモン療法は中止して、単純子宮全摘出術が提案されます。

このホルモン療法の経過観察中の死亡例もあり、続行するとリスクを伴うからです。

また子宮体がんが消えても、卵巣に類内膜腺がんが、別個に発生することもあります。これは子宮からの転移の場合と、独立して卵巣がんが発生する場合とがあり、妊孕性温存は不可能になります。子宮体がんの治療中には、子宮内膜に加えこうした卵巣がんも、検査、チェックする必要があります。特に家族に子宮体がん、卵巣がん、乳がんが多い方は注意が必要です。

以上、子宮体がんの治療についての解説でした。

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本村ユウジ
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