手術の際の入院は、乳房温存手術の場合で「3泊4日」、乳房切除術(全摘出)の場合で1週間程度です。
大まかなスケジュールは治療前におよそ見通しがつくので、事前に「クリニカルパス」を見せてもらうなどして確認しておきましょう。
クリニカルパスとは、入院中の診療予定表・スケジュールのことです。検査や処置だけでなく、食事、安静が必要な期間などについても示されており、「入院何日目にシャワーが可能」といったようなこともわかるため、入院中の生活がイメージしやすくなります。
最近は、多くの病院のホームページで主要な病気のクリニカルパスが公開されています。
乳がん手術・入院時に必要なものと準備
入院の際に用意するのはパジャマや洗面用具など、一般的な手術・入院に要するものだけで、特別なものは必要ありません。
しかし乳がんの手術で乳房のふくらみがなくなってしまうことが想定される場合は、補正下着やパッド(パッド付のキャミソールやタンクトップ)、専用の胸帯などを用意したほうが良いかもしれません。
病院や治療内容によっても異なるので、購入前に医師や看護師に確認しておきましょう。
なお、パジャマは前開きのものが、着替える際にも診察の際にも便利です。また、入院中は下着をつけずにパジャマだけで過ごす場合が多いので、上に羽織れるカーディガンなどがあると便利かもしれません。
術後の痛みやしびれには個人差があり、強く感じる人もいれば、ほとんど感じない人もいます。基本的には傷が治るにつれおさまっていきますが、我慢する必要はありません。痛みやしびれがあるときは、主治医に申し出ましょう。
術後の肩・腕のリハビリについては、手術の方法やリンパ節郭清をしたかどうかによって、すぐに動かしたほうが良い場合とそうでない場合があります。自分で判断せず、医師や看護師の指導のもとに行いましょう。
リハビリは退院後、自宅でも行ったほうが良いことがあるので、その点についても確認しておくことが大切です。特にリンパ節を切除(郭清)した場合は、リンパ浮腫(むくみ)の予防や早期発見を心がけることが必要です。注意点をしっかり聞いておきましょう。
以上、乳がん入院期間などについての解説でした。
私がサポートしている患者さんへもセカンド・オピニオンを薦めることがありますが、多くの医師は専門領域のことしか答えられない傾向があります。