腎臓がんは、今のところこれといった腫瘍マーカーがなく、血液検査等で発見することができません。通常の検診で見つかることもありますが、ほとんどはなんらかの症状(血尿、腰のあたりの違和感・しこり、脇腹の痛み、発熱、貧血、高血圧など)があって検査を受けます。
このような症状が出てきたときには、ある程度進行している場合が多いといえます。腎臓がんが疑われたこの段階で、超音波、CT、またMRI等の検査を行ない、腫瘍が悪性かどうか、悪性の場合は、どのような性格なのかを見ていきます。
腎臓がんの特徴や状態を調べるための検査
検査の結果、がんが見つかった場合、次の3つを調べます。腎細胞がんでは、腫瘍の「大きさと広がり」がポイントです。
1.どこにあるか
腎臓のなか(T1/T2)
腎臓の外に広がっている(T3/T4)
リンパ節へ転移(N0~N2)
他臓器へ転移(M0~M1)
2.どのくらいの大きさか・どのくらい広がっているか
(1)腎臓のなかに留まる
4cm以下(T1a)
4cmより大きく7cm以下(T1b)
7cmより大きく10cm以下(T2a)
10cmより大きい(T2b)
(2)腎臓の外へ広がる
静脈・周辺に広がるが腎臓の外側の筋膜(ゲロタ筋膜)を超えない(T3abc)
筋膜を超えて広がっている(T4)
3.どんな性格か
おとなしい、普通、悪性度が高い
「どこに」を見るときは、腎臓を通る静脈を塞いでいないかに注意します。また血管の周辺のリンパ節や肺や脳や骨に転移していないかを調べます。
・静脈を塞いでいないか?
・血管周辺のリンパ節/骨に転移していないか?→造影CT/MRI/骨シンチ
以上のようながんの「大きさとひろがり」の見当をつけて、治療法を選択します。
以上、腎臓がんの検査法についての解説でした。