2010年のがん死亡者数は35万3499人で総死亡者数の29.5%を占めていますが、そのがんを部位別にみると、「肺がん」が最も多く6万9813人です。肺がんを男女別でみると男性が5万395人、女性が1万9418人と、男性が圧倒的に多いことが分かります。
さらに、2006年の肺がんの推定罹患者数が8万5477人ですので、2010年の死亡者数との比率をみると、「82%」です。概算ですが、肺がんになった人の80%程度の方は肺がんが元で亡くなることになります。
それと同じように他のがんを計算すると、胃がん43%、大腸がん41%、前立腺がん25%、乳がん23%といった具合です。こういった数字からみても、肺がんは厳しい病気だといえます。
なお、肺がんの最も大きな原因は"喫煙"です。
喫煙者の肺がんリスクは海外のデータでは15~30倍程度、日本のデータでは5倍程度といわれています。もちろん、肺がんの原因は喫煙だけではありません。「大気汚染」「アスベスト」「遺伝」「加齢」「性別」「食生活」など数多くの要因が挙げられます。
それらが原因となって引き起こされる肺がんは、発生した場所によって「中心型肺がん」と「末梢型肺がん」に分けられます。中心型肺がんは太い気管支にでき、末梢型肺がんは肺の奥、先の方にできます。
中心型肺がんの症状は「咳」や「痰」が多くなり、「血痰」が出てきます。一方、末梢型肺がんの症状は早期ではほとんど出ることはありません。