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がんを治すための「たった1つの条件」とは?

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25.抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント

【2026年更新】抗がん剤の効果はどう測定する?生存期間中央値・無増悪生存期間・奏効率の意味と見方を解説

「生存期間中央値」「無増悪生存期間」「奏効率」とは?

こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。

がん治療を受けている患者さんやそのご家族にとって、「この薬は効いているのだろうか」「どのくらい効果があるのだろうか」という疑問は、治療を続けるうえで最も気になるポイントの一つではないでしょうか。

抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法では、その効果を数値やデータで示すために、さまざまな「指標」が用いられています。

この記事では、がん治療の効果測定に使われる「生存期間中央値」「無増悪生存期間」「奏効率」といった指標について、それぞれの意味と見方を解説します。また、治療効果や副作用の判定に使われる国際的な基準についても説明します。


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抗がん剤の効果を測定する指標とは

がん治療に使われる薬の効果は、どのように評価されるのでしょうか。

がん薬物療法の効果判定は、がんの増殖が抑えられたか、あるいは縮小されたか、辛い症状が軽減されたかなど、治療の目的も考慮して総合的に判断されます。

効果判定のためには、X線、CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、超音波検査(エコー検査)などの画像検査や腫瘍マーカー(血液検査)を確認します。薬物療法は投与直後に結果がわかるものではないため、これらの検査は治療開始後2か月前後で行われることが多いです。

臨床試験のデータとして示される主な指標には、「生存期間中央値」「無増悪生存期間」「奏効率」があります。これらは薬の承認審査や、治療法を選ぶ際の判断材料として使われています。

生存期間中央値とは何か

生存期間中央値とは、ある薬を投与されたすべての患者さんのうち、半数の人が亡くなるまでの期間を指します。その薬を使うことでどのくらいの期間生き延びられるかという、延命効果を示す一つの指標となります。

生存期間中央値は「中央値」という統計的な数値です。平均値とは異なり、データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値を示します。

たとえば、「この新しい抗がん剤は、従来のものに比べて、生存期間中央値を3カ月延長させた」といった場合、すべての患者さんの余命が一律に3カ月延びるわけではありません。これは、患者さんが亡くなるまでの期間を調べたとき、真ん中に位置する値が3カ月延長したことを意味します。

抗がん剤の効果を評価するうえで最も重要視されるのは、この「生存期間の延長」です。がんが大きくなったとしても生存期間を延ばす薬は有用な薬と評価されますし、がんがどんなに小さくなっても生存期間を延ばさない薬は、本来の意味では効果があるとは言えません。

生存期間中央値の見方と注意点

生存期間中央値を見るときは、いくつかの点に注意が必要です。

まず、この数値はあくまで「集団の傾向」を示すものです。個々の患者さんの余命を予測するものではありません。同じ薬を使っても、効果が出る人と出にくい人がいます。また、がんの種類や進行度、患者さんの全身状態などによっても結果は変わります。

次に、比較対象が何かを確認することが大切です。「生存期間中央値が10カ月」という数字だけでは、その薬が良いのか悪いのか判断できません。従来の治療法や無治療の場合と比較して、どのくらい延長したのかを見る必要があります。


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無増悪生存期間(PFS)とは

無増悪生存期間(むぞうあくせいぞんきかん)とは、治療を開始してからがんが進行せず安定した状態を保てる期間のことをいいます。英語ではProgression-Free Survival(PFS)と呼ばれます。

進行がんの患者さんにとっての治療目標は、治療により生存期間が延びることです。しかし、それが見込めない場合でも、長期間にわたり病状が安定してQOL(生活の質)を保った生活を送ることも重要な目標となります。

無増悪生存期間は、がんが進行するまでの時間を測定するため、生存期間中央値よりも短い期間で結果が得られるという特徴があります。そのため、臨床試験では効果判定の指標としてよく使われます。

無増悪生存期間と生存期間中央値の関係

無増悪生存期間は、生存期間の延長を証明するのが難しいケースに限って用いられる「代わりの指標」という位置づけです。そのため、この指標が代わりとして使えるがんの種類やステージは、ある程度決まっています。

多くのがんでは、無増悪生存期間が余命を直接反映しないことがわかっており、薬剤承認の主要な指標としては使えない場合もあります。

生存期間中央値と無増悪生存期間の違い
項目 生存期間中央値(OS) 無増悪生存期間(PFS)
定義 治療開始から半数の患者さんが亡くなるまでの期間 治療開始からがんが進行するまでの期間
評価の基準 死亡 画像検査でのがんの増大・新病変の出現
結果が出るまでの期間 長い 比較的短い
重要度 最も重要な指標 代替指標として使用
限界 結果が出るまで時間がかかる 必ずしも生存期間と比例しない場合がある

奏効率とは何か

奏効率(そうこうりつ)とは、「治療(薬)がどのくらい腫瘍を縮小させたか」を表す指標です。

具体的には、治療実施後にがんの大きさが画像検査上で30%以上縮小し、その状態が4週間以上続いた患者さんが何%いたかを示します。

奏効率は、がんが完全に消える「完全奏効(CR)」と、完全には消えないものの、がんの大きさが30%以上縮小する「部分奏効(PR)」の人を足して算出されます。かつては、奏効率20%が薬の承認の目安の一つとされていました。

奏効率と延命効果は比例しない

重要な点として、奏効率と延命効果は必ずしも比例していないことがわかっています。

奏効率とは、端的に言うと「抗がん剤ががんを直接殺す作用の強さ」の指標です。従来型の抗がん剤が生まれた頃は、がんを小さくすれば患者さんの余命は延びるだろうという予測のもとに、この指標が重視されてきました。

しかし、研究が進むにつれて、「がんが小さくなることと、患者さんの余命が延びることに相関がないケース」がたくさんあることがわかってきました。奏効率が低くても(腫瘍が小さくならなくても)長生きできる場合もあるのです。

このような事情から、最近では奏効率の重要性は薄れてきています。代わりに、生存期間そのものや、患者さんのQOL(生活の質)による評価が重視されるようになっています。

また、近年ではゲノム医療による精密診断が進み、患者さんによって効果が出る薬が異なることもわかってきました。奏効率40%の薬剤Aより、30%の薬剤Bのほうが効果があるケースもあり、単純に奏効率が高いことだけで薬剤の優劣を比較することはできなくなっています。


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治療効果の判定に使われる国際基準(RECISTガイドライン)

がん薬物療法の効果判定には、世界的に統一された基準が用いられています。それが「RECISTガイドライン」です。

RECISTとは「Response Evaluation Criteria in Solid Tumors」の略で、固形がんに対する治療が効いているか、効いていないかを判定するための評価基準です。2000年に初版が公表され、現在は2009年に改訂されたversion 1.1が広く使われています。

RECISTガイドラインの判定基準

RECISTでは、治療開始前に腫瘍の大きさをCTなどの画像診断で計測し、大きな腫瘍(最大5つ)を「標的病変」として選びます。それ以外の腫瘍は「非標的病変」と呼ばれます。

これらの病変の治療経過中の変化を、以下の4段階で評価します。

RECISTガイドラインによる効果判定の4段階
判定 略称 定義
完全奏効 CR(Complete Response) すべての標的病変の消失、またはリンパ節の場合は短径10mm未満に縮小
部分奏効 PR(Partial Response) 治療開始前より30%以上縮小
安定 SD(Stable Disease) 部分奏効と進行の間の状態
進行 PD(Progressive Disease) 治療経過中の最小値より20%以上増大、かつ径にして5mm以上の増大

CRやPRとなれば有効と判断されます。また、進行がんではSD(安定)であっても、延命や症状緩和が認められれば効果があると考えられます。薬物療法は、ターゲットとなるがんだけでなく、胸水や腹水、画像で確認できない病変などにも効果を発揮するためです。

免疫チェックポイント阻害薬における効果判定の特殊性

近年、がん治療で広く使われるようになった免疫チェックポイント阻害薬では、従来のRECISTだけでは効果を適切に評価できない場合があります。

免疫チェックポイント阻害薬で治療を受ける患者さんの中には、一時的に腫瘍サイズが増大したり、新しい病変が出現したりして、一度はPD(進行)と判定されることがあります。しかし、その後に腫瘍が縮小するケースもあり、これを「偽増悪(ぎぞうあく)」と呼びます。

このため、免疫チェックポイント阻害薬に対しては、iRECISTなどの専用の効果判定基準が提案されています。一度の腫瘍量の増大や新病変の出現でPDとせず、引き続き画像検査を実施してPDであることを確定する手順が採用されています。

副作用の判定に使われる基準(CTCAEガイドライン)

がんで使われる薬、とくに抗がん剤では、多かれ少なかれ副作用が出てしまいます。薬物療法のポイントは、「効き目をもたらし、かつ副作用をできるだけ抑える」ことにあります。

副作用が強く現れてしまい、薬物療法を中止せざるを得なかったり、他の薬に変更しなければならなかったりすることもあります。その基準となるのが、NCI(米国国立がん研究所)の「CTCAEガイドライン」です。

CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events:有害事象共通用語規準)は、がん治療で使用される薬剤の副作用を標準的に分類するための基準です。2017年11月にバージョン5.0が発表され、日本語版は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が作成しています。

さらに2025年7月には最新のバージョン6.0が米国NCIより公表され、同年10月には日本語訳JCOG版も公開されました。

CTCAEガイドラインのグレード分類

CTCAEでは、副作用などの有害事象をグレード1からグレード5までの5段階に分けて評価します。

CTCAEガイドラインによる副作用の重症度分類
グレード 重症度 定義 対応
グレード1 軽症 症状がない、または軽度の症状がある。臨床所見または検査所見のみ 治療を要さない
グレード2 中等症 最小限、局所的、非侵襲的治療を要する。年齢相応の身の回り以外の日常生活動作の制限 薬の量を減らすなどして対応
グレード3 重症 重症または医学的に重大であるが、ただちに生命を脅かすものではない。入院または入院期間の延長を要する 治療をいったん中止
グレード4 生命を脅かす 代謝性、心血管系の合併症などで、命に関わる、あるいは体に重い障害が残るような有害事象。集中治療や緊急処置を必要とする 治療を中止し緊急対応
グレード5 死亡 有害事象に関連する死亡

グレード2なら薬の量を減らすなどして対応し、グレード3、4なら治療をいったん中止します。回復しない場合はその治療をストップすることになります。

治療効果の目標となる「5年生存率」とは

がんの予後を判定する重要な目安に「5年生存率」があります。これは「対象となる患者さんのうち、どれくらいの割合の人が5年後に生存しているか」を示したもので、多くのデータをもとに算出されています。

5年という数字が使われるのは、治療を開始してから5年以内に再発することが多いからです。逆にいうと、ほとんどのがんでは5年以上再発がみられない場合は、あくまで便宜上「がんが治った」とみなされます。

ただし、乳がんのように10年以上たってから再発するがんもあるため、がんの種類によっては10年生存率も参考にされます。

2025年に公表された最新のがん生存率統計

2025年11月、国立がん研究センターは2012年から2015年に診断された約254万人のがん患者さんの5年生存率を公表しました。この調査では、国際的な基準を満たした44都道府県のデータが使用され、がん以外の死因の影響を除いて推定する「純生存率」という方法が採用されました。

部位別の5年純生存率では、前立腺がん(94.3%)、甲状腺がん、皮膚がん、乳がんなどは生存率が高い一方、膵臓がんや胆のう・胆管がんは依然として低い水準にあります。

また、同センターは2025年2月に初めて「サバイバー5年生存率」も公表しました。これは、診断から一定年数後に生存している患者さんについて、その後の5年生存率を算出したものです。

この調査によると、進行期(ステージIII・IV)のがんでも、診断から1年、2年と生存するごとに、その後の5年生存率が改善する傾向があることがわかりました。たとえば胃がんのステージIVでは、診断後1年未満の5年生存率は5.5%ですが、5年経過後には61.2%に改善しています。

QOL(生活の質)による評価の重要性

近年、がん治療の効果判定において注目されているのが、QOL(生活の質)による評価です。

単純に「どれだけ長生きしたか」だけではなく、「どれだけ元気で長生きしたか」が大切であるという考え方が広まっています。多くの研究で、抗がん剤治療ががんにともなうさまざまな不快な症状を取り除き、治療前よりもQOLを高めることが明らかにされています。

そのため、がんの進行による症状をやわらげることを目的に、抗がん剤治療をすることもあります。薬を長く使うケースが増えてきており、今後はさらに効果判定の尺度の一つとして、QOLが重視されるようになるでしょう。

患者報告アウトカム(PRO)の活用

QOL評価の方法として注目されているのが、「患者報告アウトカム(PRO:Patient Reported Outcome)」です。

従来、がん治療の効果や副作用は医師が評価してきました。しかし、痛みや吐き気、疲労感などの主観的な症状は、医師と患者さんの評価がずれていることもあります。研究によると、医師の評価より患者さん自身の報告のほうが、より高い頻度で、より早い段階から有害事象を把握できることがわかっています。

近年では、スマートフォンのアプリなどを使った電子患者報告アウトカム(ePRO)の活用が進んでいます。海外の研究では、ePROによる症状モニタリングが通常の診療と比較して、QOLだけでなく生命予後の改善効果も高いことが示唆されています。

2025年時点では、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のガイドラインでも、日常診療におけるがん薬物療法中のePROモニタリングが推奨されています。日本でも、がん種横断的にePROの有用性を検証する臨床試験が進行中です。

効果判定の指標を理解するために

抗がん剤の効果を測定する指標は、それぞれ異なる側面から治療の効果を評価しています。

主な効果測定指標のまとめ
指標 何を測定するか 特徴
生存期間中央値(OS) 治療による延命効果 最も重要な指標だが、結果が出るまで時間がかかる
無増悪生存期間(PFS) がんが進行しない期間 比較的早く結果が得られる代替指標
奏効率 腫瘍の縮小効果 延命効果と必ずしも比例しないため、重要度は低下
5年生存率 治療後5年間の生存割合 がん種や進行度によって大きく異なる
QOL評価 生活の質 今後さらに重視される見込み

これらの指標は、臨床試験のデータとして示されることが多いですが、個々の患者さんに当てはまるとは限りません。同じがんでも、患者さんの体質や遺伝子の違いによって、薬の効き方は異なります。

治療効果の指標を理解したうえで、主治医と十分に相談しながら、ご自身に合った治療法を選んでいくことが大切です。不明な点があれば、遠慮なく医療チームに質問するようにしましょう。

参考文献・出典情報

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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