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肝内胆管がんにおける手術の位置づけと基本的な考え方
肝内胆管がんは、肝臓の内部にある胆管から発生する悪性腫瘍です。
このがんは、早い段階から周囲の組織に浸潤したり、他の臓器やリンパ節に転移したりする特性があります。そのため、手術を行う際には、画像検査や肉眼で確認できるがんの範囲だけでなく、目に見えない微小ながん細胞が周辺に広がっている可能性も考慮する必要があります。
こうした理由から、肝内胆管がんの手術では、がんが存在する部分よりも広い範囲を切除するのが標準的な方法となっています。幸い、肝内胆管がんの患者さんの多くは、肝機能が比較的良好な状態で発見されることが多いため、広範囲の切除を行っても肝不全を引き起こすリスクは比較的低いと考えられています。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個々の患者さんの状態によって手術の可否や範囲は慎重に判断されます。
肝内胆管がんで手術ができる条件
肝内胆管がんの手術を行うかどうかは、いくつかの条件を総合的に評価して決定されます。主な判断基準は以下のとおりです。
がんの進行度
がんが肝臓内にとどまっており、遠隔転移(肺や骨など離れた臓器への転移)がないことが基本的な条件です。リンパ節転移があっても、切除可能な範囲であれば手術の対象となることがあります。
肝機能の状態
手術では肝臓の一部を切除するため、残る肝臓の機能が十分であることが重要です。肝機能を評価する指標として、血液検査の数値(ビリルビン、アルブミン、血小板数など)やICG試験(色素を用いた肝機能検査)の結果が用いられます。
肝硬変などの基礎疾患がある場合は、切除できる範囲が制限されることがあります。
切除後に残る肝臓の容積
手術後に残る肝臓の容積が十分でないと、肝不全のリスクが高まります。一般的には、肝機能が良好であれば肝臓全体の30パーセント程度が残れば機能を維持できるとされていますが、肝機能が低下している場合はより多くの肝臓を残す必要があります。
残る肝臓の容積が不足すると予測される場合は、手術前に門脈塞栓術という処置を行い、残す予定の肝臓を大きくする方法がとられることもあります。
全身状態と合併症
高齢や心臓病、呼吸器疾患などの合併症がある場合は、手術のリスクが高くなります。全身麻酔に耐えられるかどうか、術後の回復が見込めるかなども考慮されます。
これらの条件を満たしていても、がんの位置や広がり方によっては、技術的に切除が困難と判断されることもあります。最終的には、CT検査やMRI検査、血管造影検査などの画像診断と、患者さんの体力や希望を総合的に評価して、手術の適応が決定されます。
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肝内胆管がんの手術方法の詳細
肝内胆管がんの手術は、がんの大きさや位置、広がり方によって、複数の方法を組み合わせて行われます。
肝切除の種類と範囲
肝臓は右葉と左葉の2つの大きな部分に分かれており、さらに細かく区域や亜区域に分類されます。切除する範囲は、がんの大きさや広がりによって決定されます。
腫瘍が小さく、固まり状に成長する腫瘤形成型の場合は、1つの亜区域または区域を切除する「亜区域切除」や「区域切除」で済むこともあります。しかし、多くのケースでは、より広い範囲の切除が必要となります。
代表的な切除方法には以下のようなものがあります。
| 切除方法 | 切除範囲 | 適応となる主なケース |
|---|---|---|
| 亜区域切除・区域切除 | 肝臓の一部の区域 | 小さな腫瘤形成型のがん |
| 肝葉切除 | 右葉または左葉全体 | がんが葉全体に広がっている場合 |
| 3区域切除 | 葉と隣接する区域 | がんが広範囲に及ぶ場合 |
| 尾状葉切除を含む拡大切除 | 肝葉または3区域に尾状葉を追加 | 尾状葉への浸潤が疑われる場合 |
肝臓の3分の2以上を切除する予定がある場合や、もともと肝機能が低下している患者さんでは、手術前に門脈塞栓術を行います。この処置は、切除する予定の肝臓への血流を意図的に遮断し、残す側の肝臓を肥大させる方法です。これにより、手術後に残る肝臓の容積を確保し、肝不全のリスクを減らすことができます。
胆管の切除
肝内胆管がんには、胆管の内側に沿って広がる「胆管内発育型」や、胆管の壁に浸潤しながら進行する「胆管浸潤型」というタイプがあります。
これらのタイプでは、がんが胆管の広い範囲に及んでいる可能性があるため、腫瘍のある部分だけでなく、肝臓内の肝管や肝臓外の総胆管も切除することがあります。
胆管を切除した場合は、消化管再建が必要になります。通常は、肝管や総胆管を空腸(小腸の一部)に直接つなぐ「肝管空腸吻合術」が行われ、胆汁が腸に流れるようにします。この再建により、食事の消化や栄養吸収に必要な胆汁の流れを確保します。
リンパ節郭清
肝内胆管がんは、リンパ節に転移しやすい性質を持っています。画像検査でリンパ節への明らかな転移が認められない場合でも、微小ながん細胞が存在する可能性を考慮して、予防的にリンパ節を切除します。これをリンパ節郭清といいます。
実際に、手術で切除したリンパ節を病理検査で詳しく調べると、約40パーセントの患者さんに転移が発見されます。
ただし、肝内胆管がんが最初にどのリンパ節に転移し、そこからどのように広がっていくかについては、まだ十分に解明されていません。そのため、どこまでのリンパ節を切除すべきかについて明確な基準がなく、医師や医療機関によって郭清範囲が異なるのが現状です。
血管の切除と血行再建術
肝内胆管がんが進行すると、肝動脈、門脈、下大静脈といった太い血管にまで浸潤することがあります。このような場合は、がんを完全に切除するために血管も一緒に切除する必要があります。
しかし、重要な血管を切除すると、その血管が栄養を供給していた臓器や組織が壊死してしまう危険があります。そこで、血管を切除した後は、人工血管を用いたり、体の他の部分から血管を採取して移植したりする「血行再建術」を行い、血液の流れを回復させます。
この処置は高度な技術を要するため、専門的な施設で行われることが一般的です。
手術の入院期間と回復の過程
肝内胆管がんの手術では、切除範囲や術式の複雑さによって入院期間が異なります。一般的には、手術前の検査や準備に数日から1週間、手術後の入院期間は2週間から4週間程度が目安となります。
手術当日は全身麻酔下で行われ、手術時間は切除範囲や再建の有無によって4時間から10時間以上に及ぶこともあります。術後は集中治療室(ICU)で管理され、状態が安定すれば一般病棟に移ります。
回復の過程では、数日間は絶食となり、点滴で栄養や水分を補給します。その後、徐々に水分摂取や流動食から開始し、問題がなければ段階的に通常の食事に戻していきます。
歩行訓練も早期から開始され、血栓予防や肺炎予防のためにベッドから離れて動くことが推奨されます。ドレーン(体内にたまった液体を外に出すための管)は、出血や胆汁の漏れがないことを確認してから抜去されます。
退院後も定期的な通院が必要で、血液検査や画像検査で再発の有無や肝機能の回復状態を確認します。
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手術の成功率と安全性
肝内胆管がんの手術は、肝臓の切除範囲が広くなることや、血管やリンパ節の処理が複雑になることから、高度な技術を要する手術です。
手術の成功率、つまり手術そのものが無事に完了する確率は、施設の経験や患者さんの状態によって異なりますが、多くの専門施設では90パーセント以上の手術完遂率が報告されています。
ただし、手術に伴う合併症のリスクは存在します。主な合併症には以下のようなものがあります。
| 合併症 | 内容 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| 胆汁漏 | 切除面や胆管の吻合部から胆汁が漏れる | 5〜15パーセント程度 |
| 肝不全 | 残った肝臓の機能が不十分になる | 数パーセント |
| 出血 | 術中または術後の出血 | 数パーセント |
| 感染症 | 腹腔内膿瘍や創部感染など | 5〜10パーセント程度 |
手術関連の死亡率(手術後30日以内または入院中の死亡)は、経験豊富な施設では3パーセント以下とされていますが、切除範囲が広い場合や高齢者、合併症のある患者さんではリスクが高くなります。
手術後の生存率と予後に影響する要因
肝内胆管がんの手術後の予後は、がんの進行度や病理学的な特徴、リンパ節転移の有無などによって大きく異なります。
全体的な生存率
肉眼的にがんを完全に切除できた場合(根治切除)の5年生存率は、多くの施設で30パーセントから40パーセント程度と報告されています。
ただし、がんのタイプによって予後には大きな差があります。比較的まれな「胆管内発育型」の場合は、5年生存率が80パーセントに達するという報告もあり、予後が良好です。一方、「胆管浸潤型」や腫瘤形成型との混合型は予後が悪く、5年生存率は低くなる傾向があります。
リンパ節転移の有無による違い
手術後の予後を大きく左右する要因の1つが、リンパ節転移の有無です。
根治的な手術を受けた患者さんのうち、リンパ節転移がなかった場合の5年生存率は約50パーセントで、施設によっては70パーセント程度と報告しているところもあります。
これに対し、リンパ節転移が発見された場合の予後は厳しく、5年生存率は10パーセント程度にとどまります。このため、リンパ節転移の有無は治療方針や術後の補助療法を検討する上で重要な情報となります。
その他の予後因子
リンパ節転移以外にも、以下のような要因が予後に影響を与えることが知られています。
腫瘍の大きさが5センチメートルを超える場合や、複数の腫瘍がある場合、血管への浸潤がある場合は予後が悪くなる傾向があります。また、腫瘍マーカー(CA19-9やCEAなど)の値が高い場合も予後不良の指標とされています。
手術後の病理検査で切除断端にがん細胞が残っていた場合(断端陽性)は、再発のリスクが高くなります。
手術後の後遺症と生活への影響
肝内胆管がんの手術後には、いくつかの後遺症や生活上の変化が生じる可能性があります。
消化機能への影響
胆管を切除して空腸と吻合した場合、胆汁の流れ方が変わるため、脂っこい食事を摂ると下痢をしやすくなることがあります。また、食事の量を一度に多く摂ると消化不良を起こすことがあるため、少量ずつ複数回に分けて食べる工夫が必要になる場合があります。
肝機能の変化
肝臓を切除した直後は肝機能が低下しますが、残った肝臓が徐々に再生し、数ヶ月かけて機能が回復していきます。ただし、切除範囲が広かった場合や元の肝機能が低かった場合は、完全には元の状態に戻らないこともあります。
肝機能が十分に回復しない場合は、疲れやすさや食欲不振、黄疸などの症状が続くことがあります。
体力の低下と回復
手術の侵襲によって体力が落ちるため、退院後しばらくは疲れやすさを感じることが一般的です。適度な運動とバランスの良い食事を心がけることで、徐々に体力は回復していきます。
無理をせず、自分のペースで活動量を増やしていくことが大切です。
痛みや違和感
手術の傷跡に沿って、数ヶ月から1年程度は突っ張るような感じや軽い痛みが残ることがあります。これは傷が治癒する過程で生じる正常な反応ですが、気になる場合は医師に相談してください。
心理的な影響
がんの再発への不安や、手術による体の変化に対する戸惑いを感じることもあります。こうした心理的な負担については、医療スタッフや家族、同じ病気を経験した人たちとの交流を通じて軽減できることがあります。
手術後の再発と追加治療
肝内胆管がんは、手術でがんを完全に切除できたとしても、再発する可能性があります。再発率は報告によって異なりますが、50パーセントから70パーセント程度とされています。
再発の多くは手術後2年以内に起こり、肝臓内の別の場所(肝内再発)、リンパ節、肺、骨などに認められます。
再発予防のために、手術後に化学療法(抗がん剤治療)を行うことがあります。これを術後補助化学療法といいます。ただし、肝内胆管がんに対する術後補助化学療法の有効性については、まだ確立された治療法がなく、臨床試験が行われている段階です。
再発が見つかった場合の治療は、再発の場所や範囲、患者さんの全身状態によって選択されます。再発部位が限られていれば、再手術や局所療法(ラジオ波焼灼術など)が検討されることもあります。広範囲の再発や複数臓器への転移がある場合は、化学療法が中心となります。
手術を受ける施設の選択について
肝内胆管がんの手術は高度な技術を要するため、経験豊富な施設で治療を受けることが望ましいとされています。
施設を選ぶ際のポイントとしては、年間の肝胆膵外科の手術件数が多いこと、肝胆膵外科の専門医が在籍していること、術後の集中治療体制が整っていること、万が一の合併症にも対応できる設備と人材があることなどが挙げられます。
また、手術前後のサポート体制や、再発時の治療選択肢が豊富であることも重要です。複数の医療機関でセカンドオピニオンを受けることも、納得のいく治療選択のために有効な方法です。
手術以外の治療選択肢との比較
肝内胆管がんの治療は、手術が第一選択となることが多いですが、手術ができない場合や手術を希望しない場合には、他の治療法も検討されます。
化学療法は、手術ができない進行がんや再発がんに対して行われます。ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法が標準的な治療とされており、最近では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬も使用されるようになってきました。
放射線療法は、単独での根治は難しいですが、痛みの緩和や局所制御のために用いられることがあります。
また、肝動脈化学塞栓療法(TACE)やラジオ波焼灼術(RFA)などの局所療法が選択されることもありますが、これらの治療効果については手術と比べるとまだ十分な検証がされていません。
治療法の選択は、がんの進行度、患者さんの年齢や体力、希望などを総合的に考慮して決定されます。

