肝臓がんの放射線治療のあとは、画像診断と血液検査を行って、治療効果を調べます。画像診断にはしばしば、ダイナミックCTが用いられますが、MRIを単独、もしくは併用することもあります。血管造影を併用することもあります。
血液検査では、腫瘍マーカーを調べます。肝臓の機能に関する酵素なども測定しますが、これはおもに、副作用の有無を調べることが目的です。腫瘍は治療終了後すぐに消えることは少なく、数カ月~1年以上かかってしだいに縮小していきます。
そこで、病院によって多少異なりますが、画像診断は治療終了後すぐと、1カ月後に行います。その後は一般に、3カ月ごとにくり返します。また、血液検査は1カ月ごとに行います。
治療効果の判定をCTで行う場合には、放射線による炎症と再発の区別が困難なことがあります。治療後、腫瘍の周囲は強い放射線を浴びたために、炎症(放射性肝炎)を起こすことがあります。その部分は造影剤によって明るく映りますが、これは、肝細胞がんの特徴の1つです。
放射性肝炎の場合、この造影効果は一過性とみられてきました。しかし最近、粒子線治療において、肝炎の造影効果が長期にわたって続いたという報告も発表されています。そのため、このような画像が観察されたときは、MRIやPETなど、他の画像診断を併用すべきと考える医師もいます。
以上、肝臓がんの放射線治療についての解説でした。