肺がんは臨床病期(ステージ)の早い段階(ステージI期またはⅡ期)でないと、根治的な治療(目に見えるがんを全て取りきる治療)が難しいといえます。
しかし、ステージⅠ期やⅡ期では自覚症状がない場合が多く、検診などで早期発見するしか方法がないので、早期で治療を受けられる人は少数です。
肺がんはがんのタイプ、ステージによって治療法が決まる
肺がんの治療法はがんの種類や進行度、そして患者の全身状態によって決定されます。具体的には、
1.肺がんの種類(組織型)は、がん病変を詳しく顕微鏡でみて決定します。
2.がんの進行度は、原発腫瘍の進展度(T)、リンパ節転移(N)、遠隔転移(M)で分類される「TNM分類」からステージを決定します。
3.患者の全身状態は、年齢や体力、各臓器の状態、合併症などから確認します。
病院で受けられる治療法は手術・放射線・化学療法の3つ
肺がん治療の基本は手術療法、放射線療法、化学療法の3つです。これら3つの療法のなかから、がんの種類や進行度、全身状態を考慮して、どの療法を選択するか、またどの療法を組み合わせて治療するかを決定します。
ちなみに、手術と放射線治療は特定の限られた部位を対象とする局所療法です。いっぽう、化学療法(薬を使った治療)は肺および全身のがん細胞を対象とする全身療法です。
肺がんの治療法はがんの種類、たとえば非小細胞がんか小細胞がんかによって変わります。非小細胞がんの腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんは治療法が似ています。しかし小細胞がんは、非小細胞がんと比べて進行が早いことが多く、放射線療法や化学療法が効きやすいという特徴があるため、手術が選択されることは少ないです。
以上、肺がんの治療についての解説でした。