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08.子宮頸がん

子宮頸がんの放射線治療(効果と治療法の種類・IMRTや重粒子線)

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IMRT

IMRT

日本のがん医療において子宮頸がんの第一選択肢は手術とされています。しかし、放射線治療を推進する医師も増え、病院によっては放射線治療を提案するところもあります。手術ではなく、放射線治療を勧められたらどう対応したらよいのでしょうか。

手術が無理だから放射線治療、というようなネガティブな理由ではなく、手術と放射線治療とを比較して、放射線治療の効果が高く、副作用も小さいなら放射線治療を選ぶ、というプロセスが必要です。

放射線治療システム(照射装置、治療医、放射線治療を支えるスタッフ)が進歩すればするほど、子宮頸がんの場合、手術よりもから放射線治療にメリットが大きくなります。

日本で、子宮頸がんの放射線治療の標準化が進んだのは1950年代からで、リニアックなどの導入で、現在の放射線治療スタイルになったのは1970年末からです。

以来30数年を経て、

1.皮膚にかかる負担を少なくして、骨盤の深部にある病巣(転移してるかもしれないリンパ節も含む)に効果的に外照射する
2.膀胱、直腸に過剰な線量をかけずに、子宮頸部病巣に十分に腔内照射をする
3.外照射と腔内照射の最適な組み合わせ方を決める、などの標準化がなされました。

現在の日本では、

1.外照射を1日1.8~2.0グレイで週5日(土、日は休み)で、5週間(合計45~50グレイ)
2.第4週目から、腔内照射を週1回実施(6グレイ)し、第4、5、6、7週と合計24グレイ
3.腔内照射が開始されると、膀胱、直腸への過線量を避けるために、恥骨上に幅3~4cm高さ6cmの鉛板を置く(センターブロック)という方法で治療が進められます。

がんの大きさや、外照射に対する反応により、照射方法は微調整されます。また、転移が疑わしいリンパ節へ追加照射することもあります。

■子宮頸がんの放射線治療 CCRT(化学療法を併用する放射線治療)

2000年にアメリカから「子宮頸がんで放射線治療をする場合、抗がん剤を併用投与するべきである」という緊急告知が出されて以来、世界中で行われています。

日本では、アメリカの放射線治療方式とは異なる照射法が定着し、また、日本で報告されている照射単独の治療成績は、アメリカのCCRT(化学療法併用放射線治療)併用のそれと同じくらいであったため、日本独自の臨床試験が行われました。

その結果、日本でも毎週1度40mg/㎡のシスプラチン(抗がん剤)の併用投与(化学療法)は実施可能でまた、成績の向上も期待できそうであることがわかりました。しかし抗がん剤治療の副作用は受けてしまうため、70歳以上の高齢者、心臓・肝臓・腎臓機能障害を持つ方にはCCRTは行わずに照射単独治療が行われます。

■IMRT(強度変調放射線治療)

IMRTは、外照射をする場合、照射したい場所を特定できれば、照射しないでよい場所をなるべく避けて照射できます。このためには、病巣の正確な把握とコンピューター制御による照射野(X線をあてる範囲)の設定が必要になります。

IMRTは現在、アメリカでは子宮頸がんに一般化しつつありますが、ヨーロッパや日本では導入が遅れています。

■重粒子線治療

これまで放射線治療には、主にX線、ガンマ線、電子線などが使われてきました。最近では、X線やガンマ線などとは異なる性質を持つ重粒子線が注目されています。

子宮の外部から放射線を照射をする場合は、高エネルギー放射線(X線)発生装置のリニアックを用いても、皮膚から深部へいくにつれて放射線は減退します。それに対して粒子線の場合は、体の深い位置にある子宮へでもエネルギーを高く保つようにできるので、リニアックに比べ、より少ない副作用でより高い効果を期待できます。

炭素を用いる重粒子線は、子宮頸がんの中でも放射線感受性の低い腺がんに対し、通常の照射よりよい成績を示したことから、進行した腺がんに用いられます。

重粒子線治療は関東地方では、千葉市の放射線医学総合研究所と群馬大学放射線治療部で行えますが、費用が高い(300万円)のが難点です。

以上、子宮頸がんの放射線治療についての解説でした。

私がサポートしている患者さんでも放射線治療を受けている方は多くいます。手術に比べてダメージが少ないですが、再発のリスクや後遺障害のデメリットもあります。

子宮頸がんを克服するためには総合的なアプローチが必要です。

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