直腸がんの局所の再発は局所の激しい疼痛(痛み)との闘いで、中でも若年者の場合はとても厳しい戦いになります。また排尿障害も起きるため生活の質は極めて悪くなります。
<痛みへの対策>
1.再発巣切除、放射線照射、化学療法
2.持続的抗がん剤動脈内注入療法
3.凍結療法
4.鎮痛薬(ブロンプトン混水、麻薬)
5.神経ブロック
このうち1、2、3は一定の効果はありますがどうしても一時的であり、結局、最後は4、5に頼らざるをえなくなります。以前は麻薬系の鎮痛剤を多量に使用すると中毒になるからと控えめに使われましたが、現在ではまず十分な鎮痛効果の出る量を投与し、それから徐々に投与量を調節する方法で実施するため中毒状態になることは稀です。
MSコンチン、ブロンプトン混水(モルヒネ、コカインを主成分とする水薬)は効果的で、除痛だけでなく精神状態を緩和します。神経ブロックは最後の手段として行われ、近年は硬膜外に管(カテーテル)を入れ、定時的に塩酸モルヒネを注入する方法が行われており、高い鎮痛効果をあげています。
<排尿障害>
直腸がんが局所に再発すると、しだいに骨盤腔内を占拠し、膀胱への直接進展、尿管への圧迫閉塞によって排尿が障害されて尿毒症になることがあります。腎瘻(ろう)や尿管瘻を作り、尿路変向をすることによって対処されます。
以上、直腸がんの再発についての解説でした。