がん専門のアドバイザー、本村です。
この記事では香川県内の神社やお寺へ「癌封じ」や癌平癒(治ること)、病気平癒を祈願したいと考えている方に候補となる場所を紹介したいと思います。
まずよく聞かれる言葉として「癌封じ」がありますが、そもそも「癌封じ」とは「(がんでない人が)がんにならないこと」を願う祈願です。
現在はその解釈が拡大され「再発を防ぐ」「転移を防ぐ」「癌を治す」ことを祈願する意味も含むようになっています。
本来、肺がんや前立腺がんなど各部位の癌やリンパ腫など血液系のがんを含む「病気が治るよう祈願すること」は「病気平癒(へいゆ)祈願」の対象です。
ですので、癌の治療や治ることに関して祈願したり、お守りを授与してもらったりする場合は、「癌封じ」の項目を挙げている寺社にこだわらずとも、”病気平癒のご利益があると言われる寺社”へ参拝するのがよいです。
現在、全国的にみると有名なところ以外の「お寺」は後継者不足などで廃れた場所が増えていますが、四国・香川県は88か所巡り(お遍路)で参拝者が多く、小さなお寺でもしっかり対応してくれるところが多いです。
「神社」に関しては全国的に名が知れている神社は少ないですが歴史の古い社はいくつもあります。
その中で、特に病気平癒にゆかりの深いお寺を1つ、神社を1つ挙げたいと思います。参拝の参考になれば幸いです。
香川県東かがわ市 與田寺の病気平癒祈願
與田寺(よだじ)は、本尊を薬師如来とする真言宗のお寺です。山号は「醫王山(いおうざん」です。
739年に高僧「行基」が開山した寺で、山門の脇には樹齢600年と伝わる椋の木(むくのき。県の天然記念物)があるなど由緒を感じるたたずまいです。
平安時代には空海が訪れ、鎌倉時代には国内談議所のひとつに定められるなど、1,000を越す末寺を束ねる四国屈指の大寺院として栄えてきた、歴史的にも価値の高いお寺です。
四国のお遍路にも関わりがあり、「四国八十八箇所総奥の院」とされており、お遍路参りの最後に参拝する人が多いです。
江戸時代以降、88番札所で結願したあと、船に乗る前に與田寺に立ち寄り、お礼参りを行っていたことから「総奥之院」として知られるようになったそうです。
癌や病気との関連
癌など特定の病気に関する逸話やつながりはないですが、仏教における「医薬の仏」は薬師如来です。
お寺に癌封じや癌が治ることを願いに参拝するなら、薬師如来が祀られている歴史深いお寺に行く、というのが適していると思います。
薬師如来は「民の病患を救うという如来=薬壺(やっこ)を持ち病気を治す仏様」であり、薬壷には体の病、心の病、社会の病を治す薬が入っている、とされています。
與田寺の本尊として祀られている薬師如来は行基の作とされており、行基は=大僧正(最高位である大僧正の位は行基が日本で最初)です。山号の「醫王山(いおうざん)」は、現在の漢字では「医王山」と書きます。
医王=行基の薬師如来を祀る寺である、という位置づけであり、88箇所巡りの総奥の院でもあるので香川県内はもとより、四国から病気平癒の祈願のために参拝する人は多いです。
寿老人(じゅろうじん)の像
香川県には「さぬき七福神」があり、それぞれの福神を異なる寺社で祀っているのですが、與田寺の境内には「寿老人(じゅろうじん)」の像があります。
寿老人長寿を授ける神、とされています。宝杖とうちわを持ち、鹿を連れているのが特徴です。
「無病息災」「延命長寿」「ぼけ封じ」にご利益があるといわれています。
祈祷を受けることができます
祈祷とは「お祓いをうけ、仏に願意を伝える」ことです。與田寺では個人向けの祈祷を受けることができます。
受け付けにて住所氏名、願意(厄除開運、商業繁栄、試験合格、交通安全などがありますが、癌闘病中の方は「病気平癒」を選ぶのがよいでしょう)を記入して祈願料を支払って申し込みます。
祈祷は本堂で行われます。祈祷料金は内容によって以下から選べます。
・2,000円・・・お札をもらえる
・5,000円・・・お札と一ヶ月間の祈祷をしてもらえる
・10,000円・・・お札と祈祷三ヶ月
・20,000円・・・お札と祈祷一年
・50,000円・・・お札と特別護摩祈祷
護摩祈祷とは、護摩木を燃やすことによって仏の智慧(炎は智慧の象徴)を授かるという仏事の1つです。
與田寺のお守り
身体健全・身代わり守があります。人形をあしらった少し変わったお守りです。
與田寺の住所と地図
住所:香川県東かがわ市中筋466
與田寺の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):9:00~17:00。祈祷と拝観は16:00まで
・電話番号:0879-25-4726
・最寄り駅:JR三本松駅から徒歩30分、車で10分
・バス:高松駅から大川バス引田線「大内農協前」下車、徒歩17分
・車でのアクセス:高松自動車 白鳥大内ICから4分
・駐車場:あり。(かなり広い)
・階段:あり
與田寺のおすすめ度:A。【A>Eの5段階】
車がないとアクセスに不便ではありますが、お寺や祀られている薬師如来の由緒などから香川県内で病気平癒、癌平癒を願うならとても適したお寺だといえます。
なお、薬師如来への参拝としては、同じ東かがわ市の白鳥にある田ノ口薬師(東照寺)もよいと思います。田ノ口薬師は弘法大師ゆかりの寺で弘法大師自らが彫った薬師如来が祀られているお寺です。(諸説ありますが)日本三薬師ともいわれています。
香川県高松市 田村神社の病気平癒祈願
高松市にある田村神社(たむらじんじゃ)は香川県でもっとも大きく、格の高い神社の1つです(田村神社の旧社格は国幣中社、讃岐国一宮)。
国の重要文化財に指定されている宝物を多く所有していることや、多くの社、緑に囲まれた美しい神社です。
「さぬき七福神」のうち布袋尊の像があることでも有名です。
創建は709年と伝えられており古くよりこの地で篤く信仰されてきました。四国88か所巡りの83番「一宮寺」のすぐ隣にあることから、お遍路参りの方の参拝や、七五三などの神事のために多くの人が訪れています。日曜日のうどん市も人気です。
癌や病気との関連
田村神社では倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)など五柱(柱は神の数え方)を「田村大神」と称して祀っています。
このうち健康や長寿に関連が深いのは猿田彦大神(日本神話に登場する神)です。導きの神といわれ、交通安全、縁結び、延命長寿、厄除けのご利益があるとされています。
が、重要なのは境内の中にある平成14年に再建された末社「素婆倶羅社(そばくらしゃ)」で祀られている少名毘古那神(すくなびこなのかみ。少彦名命などの別称あり)です。
薬師如来が仏教における医薬の仏なら、少名毘古那神は日本神話における医薬の神です。まじないなどの多彩な能力を有したされ、「薬祖神」として古来より篤く信仰され、病気平癒の祈願の対象となってきました。
神仏習合では少名毘古那神は薬師如来とされ、古くから癌などの悪性腫瘍や難病が治ることを祈願したい人に信仰されてきました。
田村神社の主祭神に参拝すると同時に、素婆倶羅社を訪れ参拝するのがよいと思います。
祈祷を受けることができます
神社での祈祷は、神職(宮司さん)によるお祓いを受けて願意を伝えます。
願意は様々なものから選べますが、癌闘病中や、手術や抗がん剤などの治療の成功を祈願する場合は「身体健康」「病気平癒」のいずれかがよいと思います。
祈祷料は5,000円から。予約は必要なく当日訪問して授与所で申し込めば受けられます。ただ混雑している時期は長時間待つ場合もあるようなので事前に問合せして確認しておくほうがよいです。
祈祷終了後にそれぞれの祈祷に応じたお守り、お札、おさがりなどを受けとります。
病気平癒のお守りがあります
田村神社にはたくさんの種類のお守りがあり、病気平癒のお守りの中でもいくつか種類があります。ふつうの神社では病気平癒のお守りがあったとしても一種類なので、これほど種類がある神社は他にありません。
桐箱入りのものには、少名毘古那神が祀られる「素婆倶羅社(そばくら社)」の名が入っています。
田村神社の住所と地図
住所:香川県高松市一宮町286
田村神社の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):開門時間は9:00~17:00
・電話番号:087-885-1541
・最寄り駅:高松琴平電鉄琴平線一宮駅より徒歩約10分
・バス:コトデンバス一宮バス停より徒歩で約1分
・車でのアクセス:高松西ICより約10分、高松中央ICより約15分
・駐車場:あり
・階段:ほとんどない
田村神社のおすすめ度:B。【A>Eの5段階】
古い神社はさびれてしまってあまり人もいない、というところも多いですが、田村神社は香川県内で最も格式が高い神社かつ参拝客も多く賑わっている神社です。祈祷を受けたり、お守りをいただくのはとてもスムーズで明るい気持ちで参拝できると思います。
ただ、2009年の創建1300年周年以降、様々なオブジェなどが置かれるようになり、荘厳な雰囲気はやや失われており、そのような雰囲気を求める人には合わないかもしれません。賑やかな神社がいい、と思う人にはよいと思います。