・一般名:アキシチニブ
・商品名:インライタ
・投与経路:経口
・血管外漏出による皮膚障害のリスク:なし
・催吐リスク:最小~軽
<特徴>
作用機序:がん細胞の血管新生や増殖に関連する血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1、2、3)のリン酸化を選択的に阻害することで、抗腫瘍効果を発揮する。
代謝経路:主に代謝酵素CYP3A4/5(肝臓に最も多く分布)で代謝され、糞中に排泄
<主に使われるがんの種類>
根治切除不能または転移性の腎細胞がん:単剤投与
・使用時の注意点
投与方法:1回5mgを1日2回経口投与。患者の状態により適宜増減
慎重投与:高血圧、甲状腺機能障害、血栓塞栓症、脳転移、外科的処置後の創傷が未治癒、中等度以上の肝機能障害
・重大な副作用
動脈・静脈血栓症
心不全
高血圧クリーゼ
喀血・消化管出血
消化管穿孔
創傷治癒遅延
・その他注意が必要な副作用
高血圧
手足症候群
口内炎
下痢
甲状腺機能障害
タンパク尿
発声障害
疲労
肝機能障害
食欲減退
出血(鼻出血・血尿など) など
・投与に関するポイント
副作用悪化時に備えて毎日、血圧を測定し記録しておく。手足症候群は、予防と早期発見・報告・対応が重要になるため皮膚に異常があればすぐに報告する。
突然の強い腹痛、呼吸困難、胸痛、意識障害、下肢の腫脹・疼痛、喀血、吐血、下血、急激な血圧上昇などが出現した場合は、緊急処置が必要となる可能性があるため、すぐに医療者へ連絡する。
アキシチニブ(インライタ)の投与量と有効性(奏効率)は相関する。また、休薬時に血圧が低下することが多い。降圧薬が投与をされているケースでは、血圧の発現に注意する必要がある。