10.肝臓がん

【2025年更新】肝臓がんのエタノール注入療法(PEIT)とは?適応条件・効果・後遺症などを詳しく解説

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がんを治すためのたった1つの条件

こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。

がんを治すために必要なことは、たった1つです。

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がんを治すための「たった1つの条件」とは?


肝臓がんのエタノール注入療法とは

肝臓がんの治療では、手術によってがん組織を切除する方法だけでなく、がんを直接攻撃する局所治療法が複数存在します。

その中でも、エタノール注入療法(PEIT:Percutaneous Ethanol Injection Therapy)は、日本で開発された歴史ある治療法です。

この治療法は、1982年に千葉大学で臨床応用が開始され、約12年後の1994年頃には全国の医療機関に広く定着しました。肝臓がんの内科的局所療法としては最も歴史が長く、多くの患者さんに対して実施されてきた実績があります。

エタノール注入療法の基本的な仕組みは、腹部超音波(エコー)で肝臓がんの位置を確認しながら、皮膚から直径約1ミリメートルの細い針を刺し、純度100%のエタノール(無水エタノール)をがん組織に直接注入するというものです。

注入されたエタノールは、がん細胞のタンパク質を変性させ、細胞を壊死させる効果を発揮します。

肝臓がんにおける局所治療法の種類と位置づけ

肝臓がんは他の臓器のがんと比較して、選択できる治療方法が多いという特徴があります。手術以外の局所治療法としては、次のような方法が用いられています。

治療法 特徴 現在の実施状況
ラジオ波焼灼療法(RFA) 高周波の熱でがん組織を焼灼する 現在最も広く実施されている
マイクロ波凝固療法 マイクロ波の熱でがん組織を凝固させる RFAの普及により実施施設は限定的
エタノール注入療法(PEIT) エタノールでがん細胞を壊死させる 小さながんや特定の条件下で選択される

現在、局所治療法の中で最も広く行われているのはラジオ波焼灼療法(RFA)です。RFAは治療効率が高く、比較的短時間で治療が完了するため、多くの医療機関で第一選択となっています。

マイクロ波凝固療法は、RFAの登場によって実施する施設が減少し、現在ではごく一部の医療機関でのみ行われています。

エタノール注入療法は、RFAと比較すると治療回数が多くなる傾向がありますが、特定の条件下では優れた選択肢となることがあります。


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エタノール注入療法の実施方法と治療の流れ

治療の具体的な手順

エタノール注入療法の実際の治療では、以下のような手順で進められます。

まず、患者さんは治療台に横になり、医師は腹部超音波装置を使用して肝臓がんの正確な位置を確認します。超音波画像をリアルタイムで見ながら、皮膚から肝臓がんに向けて細い針を慎重に刺入していきます。

針が目的の位置に到達したことを確認した後、純度100%のエタノールを少量ずつ注入します。エタノールは注入されると、がん組織内に広がり、がん細胞を直接破壊する作用を発揮します。

1回の治療で完全にがん組織を壊死させることは困難なため、通常は週に2回程度の頻度で治療を繰り返します。がんの大きさや数によって必要な治療回数は変わりますが、数回の治療を行うために2週間から3週間程度の入院が必要となることがあります。

治療直後の管理

治療が終了した後は、針を刺した部分を消毒し、圧迫して固定します。その後、2時間から6時間は安静を保つ必要があり、この間は飲食も制限されます。出血を予防するために、止血剤を点滴投与することもあります。

治療中や治療直後には痛みを感じることがありますが、強い痛みは一般的に治療後数分程度でおさまります。ただし、痛みが長く続く場合には、鎮痛薬を投与して対応します。

また、エタノールに対する耐性が低い患者さんの場合、治療後に酔ったような状態になることがあります。これはエタノールが血中に移行することによって起こる現象ですが、通常は一時的なものです。

エタノール注入療法の適応となる患者さんの条件

エタノール注入療法が適応となるのは、以下のような条件を満たす患者さんです。

条件項目 基準
がんの大きさ 3センチメートル以内
がんの個数 3個以下
がんの位置 超音波で確認できる位置
肝機能 一定以上の肝機能が保たれている

基本的には、がんの大きさが3センチメートル以内で、個数が3個以下の場合に適応となります。これは、エタノールの拡散範囲に限界があることと、治療回数を現実的な範囲に収める必要があるためです。

また、治療を行うためには、腹部超音波検査でがんの位置が明瞭に確認できることが必要です。超音波画像で見えにくい位置にあるがんの場合、正確な針の刺入が難しくなるため、他の治療法を選択することになります。


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治療回数とエタノール注入量の関係

がんの大きさと必要な治療回数

エタノール注入療法では、腫瘍の大きさと数によって必要な治療回数が変わります。腫瘍が大きく、数も多い場合には、それだけ治療回数が増えることになります。

がんの大きさ 必要なエタノール量 治療回数の目安
1センチメートル以下 2~3ミリリットル 1回で終了することもある
2センチメートル 8~12ミリリットル 2~3回
3センチメートル 30~45ミリリットル 3~5回

腫瘍の周囲に浸潤している可能性のあるがん細胞も完全に壊死させるためには、通常、腫瘍の体積の2倍から3倍程度のエタノールが必要になります。

1回の穿刺で注入するエタノールの量は、一般的に5ミリリットル以下とされています。また、1回の治療における総注入量も10ミリリットルから20ミリリットル以下に制限されます。これは、一度に多量のエタノールを注入すると、副作用のリスクが高まるためです。

腫瘍の性質による治療回数の変動

必要なエタノール量と治療回数は、腫瘍の性質や形状によっても変化します。

肝臓がんは「結節内結節」という構造を持つことがあります。これは、がん組織内に隔壁(壁のような構造)が存在し、いくつもの区画に分かれている状態です。注入したエタノールは、その区画内には広がりますが、壁を通過することができません。そのため、壁で仕切られた「部屋」ごとに針を刺してエタノールを注入する必要があります。

また、腫瘍が被膜(膜)で覆われている場合には、被膜やその外側に浸潤しているがん細胞を壊死させるために、被膜の近くにもエタノールを注入しなければなりません。

複数の腫瘍がある患者さんの場合は、患者さんの体調や体力を考慮して、1回の治療で複数の腫瘍を対象とするか、1個ずつ治療していくかを決定します。

治療スケジュールと入院期間

治療のスケジュールは、医療機関によっても、また患者さんの状態によっても異なります。

標準的には、治療と治療の間隔を2日から4日程度あけて実施します。これは、治療による体への負担を考慮し、回復期間を確保するためです。

ただし、患者さんの体調が優れない場合や、高齢で治療による負担が大きいと判断される場合には、さらに間隔をあけて治療を行うこともあります。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、無理のないスケジュールが組まれます。

入院期間は、必要な治療回数によって変わりますが、一般的には2週間から3週間程度です。小さながんが1個だけの場合には、より短期間で治療が完了することもあります。

エタノール注入療法の問題点と課題

エタノール注入療法は有効な治療法ではありますが、いくつかの問題点も指摘されています。

最も大きな課題は、前述した「結節内結節」の構造によって、エタノールが腫瘍全体に均一に行き渡らない可能性があることです。隔壁によって区切られた区画が多い場合、何度も針を刺す必要があり、それでも未治療の部分が残ってしまうことがあります。

未治療の部分が残ると、そこからがんが再発する可能性が高まります。このため、治療後は定期的な画像検査によって、治療効果を確認し、再発の有無をチェックする必要があります。

また、治療回数が多くなることも、患者さんにとっては負担となります。特に、がんが3センチメートル近い大きさの場合、3回から5回の治療が必要となるため、入院期間も長くなります。

エタノール注入療法とRFAの比較

現在の肝臓がん局所治療では、RFAが第一選択となることが多いですが、エタノール注入療法にも独自の強みがあります。

エタノール注入療法が優位となる状況

1センチメートル以内の小さな肝臓がんが5個から6個あるような場合、RFAで治療すると50分から60分程度の時間がかかります。一方、エタノール注入療法であれば5分から6分程度で治療が完了するため、患者さんへの負担を軽減できます。

また、肝臓がんが他の臓器と隣接している位置にある場合、RFAでは熱が周囲の臓器に及ぶリスクがあります。胃や腸、横隔膜などの臓器が近くにある場合、熱による損傷を避けるためにRFAの実施が難しくなることがあります。

このような状況では、エタノール注入療法であれば熱を使わないため、周囲の臓器への影響を心配することなく治療を行うことができます。

治療選択のポイント

状況 推奨される治療法 理由
2~3センチメートルのがんが1~2個 RFA 少ない治療回数で確実な効果
1センチメートル以下のがんが複数個 エタノール注入療法 治療時間が短く負担が少ない
他臓器に隣接したがん エタノール注入療法 周囲組織への影響が少ない
被膜を持つがん RFA 熱の拡散により広範囲を治療可能

患者さん自身のがんの状態と、取り得る選択肢を医師と相談しながら見比べて、より適した治療法を選ぶことが重要です。

エタノール注入療法の副作用と合併症

エタノール注入療法は比較的安全性の高い治療法ですが、いくつかの副作用や合併症が報告されています。

一般的な副作用

治療中や治療直後に起こりやすい副作用としては、以下のようなものがあります。

痛みは最も一般的な副作用です。針を刺す際の痛みや、エタノールが注入される際の痛みを感じることがありますが、多くの場合、治療後数分でおさまります。痛みが強い場合や長く続く場合には、鎮痛薬が投与されます。

発熱も比較的よく見られる副作用です。がん組織が壊死する過程で、一時的に体温が上昇することがあります。通常は軽度で、解熱剤で対応できる範囲です。

エタノールに対する耐性が低い患者さんでは、治療後に酔ったような感覚やふらつきを経験することがあります。これは注入したエタノールの一部が血中に移行することによって起こりますが、一時的な症状です。

注意が必要な合併症

頻度は低いものの、注意が必要な合併症としては、穿刺部位からの出血、胆管損傷、周囲臓器への影響などがあります。

治療後は穿刺部位を圧迫して固定し、安静時間を確保することで、出血のリスクを最小限に抑えます。

治療後の経過観察と再発の確認

エタノール注入療法が完了した後も、定期的な経過観察が必要です。

治療効果の判定は、CTスキャンやMRI検査によって行われます。通常、治療後1か月から2か月程度の時点で画像検査を実施し、がん組織が完全に壊死しているか、残存していないかを確認します。

もし未治療の部分が残っていることが判明した場合には、追加治療が検討されます。再度エタノール注入療法を行うこともあれば、RFAなど他の治療法に変更することもあります。

また、治療が成功した場合でも、肝臓がんは再発しやすいがんであるため、3か月から6か月ごとの定期的な画像検査が推奨されます。

エタノール注入療法を受ける際の心構え

エタノール注入療法を受けることになった患者さんは、以下のような点を理解しておくと良いでしょう。

治療は複数回行われることが一般的であり、ある程度の入院期間が必要になります。仕事や日常生活のスケジュール調整が必要になる場合があります。

治療効果には個人差があり、腫瘍の性質によって完全壊死が得られる確率は変わります。主治医から十分な説明を受け、治療の目標や期待される効果について理解しておくことが大切です。

治療後も定期的な検査が必要であり、長期的な経過観察が求められます。治療が終わったからといって油断せず、医師の指示に従って検査を受け続けることが重要です。

参考文献・出典情報

  1. 国立がん研究センター中央病院 - 肝がんの局所療法
  2. 日本肝臓学会 - 肝癌診療ガイドライン
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス - 肝細胞がん 治療
  4. J-STAGE - 肝臓(日本肝臓学会雑誌)
  5. 日本医師会 - 肝がん
  6. 日本IVR学会 - IVRガイドライン
  7. 日本医療研究開発機構(AMED) - 肝がん治療研究
  8. Minds(マインズ)診療ガイドライン - 肝癌
  9. 日本老年医学会 - 高齢者の肝がん治療
  10. 日本IVR学会 - 肝がんIVR治療の手引き

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

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