乳がんの化学療法は、「ホルモン受容体が陽性か陰性か」「HER2が陽性か陰性か」「HER2陰性、ホルモン受容体陽性ではがんの増殖能が低いか高いか」によって、薬物治療の薬の使い方が異なってきます。
乳がんの化学療法を受ける前に、薬の効果を調べる「予後予測遺伝子検査」を行うことで、より自分にあった薬を選択することができます。(予後予測遺伝子検査は健康保険の適用外のために費用は約40~50万円前後)
具体的には「副作用の強い抗がん剤を避けたい」ことが目的である検査ですが、女性ホルモンに対する感受性がなく、HER2タンパクが陰性である「トリプルネガティブ」のタイプに分類される方は現時点では抗がん剤による化学療法しかないのが現状です。
ホルモン療法、分子標的治療が効果のないトリプルネガティブとされる人は日本の乳がん患者の約20%といわれています。
トリプルネガティブのケースでは、抗がん剤を手術の前に行って治療効果を確かめる術前化学療法が標準治療の立場を確立しています。
以上、乳がんの化学療法についての解説でした。