子宮体がんの精密検査(第二次検査)では、初回の検査でがんの疑いがある人に対して、細胞を調べる「組織診断」を実施して、子宮体がんか否かを最終的に判定します。
これを確定診断と呼び、がんであれば、次の三次検査でどの程度進行しているかを診断します。
■ラードップラー検査
超音波検査の一つで、動脈流と静脈流が区別できます。正常組織とがんのある部位では血流が異なるため、がん特有の血流波形が検出できます。
■瘍マーカー検査(CA125など)
がん細胞が血中に出す特有の物質、たとえば「たんぱく質」などの量を測定して、がんが増殖していないかどうかの手がかりにします。
子宮体がんではCA125、CA19‐9という腫瘍マーカーがよく使われます。
ただし、子宮体がんの腫瘍マーカーは少なく、感度もあまりよくありません。また子宮内膜症、妊娠、腹膜・胸膜疾患、肝硬変、急性膵炎などでも数値が上がり、がんだけに反応するわけでもありません。
そのため、腫瘍マーカーはあくまで参考値として利用します。ただし、治療の効果を判定するときに使用できることがあります。
■ルポスコピー(膣拡大鏡)検査
コルポスコピーとは子宮の出口を拡大してみるカメラです。膣に器具を挿入し、外からカメラで検査を行います。最初はそのまま見ますが、次に酢酸液で染色してチェックします。扁平上皮に増殖が進んでいる箇所があると、白く見えるので、その部分はあとで組織診を実施します。
子宮鏡検査
ヒステロファイバースコープと呼ばれる細長い管を子宮内に挿入して、手元の画像で内腔を観察し、見える範囲でがんのある部位を確認します。痛みはほとんどありません。ファイバースコープは用途により何種類かあり、処置用では組織を採取することもできます。
子宮内膜組織診
子宮内膜細胞と周辺組織を採取し、子宮体がんの広がり具合もあわせて確認するために実施します。「掻爬組織診」では、先端がループ状や小さな匙状の細長い器具で子宮内膜を掻き出します。この器具をキューレットといいます。
最近では吸引しながらキュレット(掻爬)できる使い捨てのものがあり、よりシンプルな方法になっています。全面掻爬診は、静脈麻酔をする場合がありますので、入院して行うこともあります。
以上、子宮体がんの検査法についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。