脳腫瘍は脳の組織ががん化したものをいいます。ほかのがんと違って進行度を用いず、がんの性質(悪性度)で判断します。最も悪性度の高いものが神経膠腫(グリオーマ)です。
脳腫瘍の治療の主体は手術と放射線療法で、抗がん剤が効かないといわれていましたが、悪性神経膠腫に対してテモゾロミド(テモダール)という抗がん剤の有効性が立証されたため、手術や放射線療法の補助療法として使われるようになりました。
2006年に飲み薬が、10年に注射薬が承認されました。副作用は吐き気や骨髄抑制などですが、比較的軽いようです。
このほか、大腸がんなどで使われるベバシズマブ(アバスチン)が治療成績を向上させたという報告があり、欧米では日本より先に「標準治療を終えた神経膠腫」に対して使われるようになりました。日本でも2013年に承認されています。