白血病は小児から高齢者まで幅広く発生しますが、とくに10代、20代の青年層で最も発生頻度が高いのが白血病です。
青年層の死亡原因では、自殺、事故死に次いで多くなっています。かつては治療が難しい病気でしたが、分子標的薬の開発が進み、治療成績が向上しています。
慢性骨髄性白血病では分子標的薬で死亡率が低下
白血病は、赤血球や白血球などの血球成分ががん化し、骨髄の中で異常に増えていく病気です。がん化した細胞が増えると正常な赤血球や白血球、血小板などが十分につくられなくなり、貧血、白血球減少による感染、血小板減少による出血しやすさなどの症状が出てきます。
白血病は、がん化した血球成分の種類によって大きく骨髄性とリンパ性に分かれ、また進行の速さなどによって急性と慢性に分かれます。この中で、日本人の成人に1番多いのが急性骨髄性白血病で、これに次ぐのが慢性骨髄性白血病です。骨髄性とリンパ性を比較すると、約4対1で骨髄性が多くなっています。
白血病の中で、近年、治療成績が大幅に向上したのが慢性骨髄性白血病です。イマチニブ(グリベック)などの分子標的薬の開発が進み、5年生存率は95%と高くなりました。慢性骨髄性白血病は現在、寛解を維持しながら日常生活を送ることが可能な疾患になっています。
2012年3月には、再発・難治性の成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)に対して、分子標的薬のモガムリズマブ(ポテリジオ)が承認されました。これは「CCR4」を標的とした抗体製剤で、2次治療での有用性が確認されています。
この薬で重要な点は、CCR4が陽性かどうかを確認するためのコンパニオン診断薬「ポテリジオテスト」が同時に承認されたことです。モガムリズマブは、この診断薬でCCR4陽性が確認できた人だけが使ってよいことになっています。