肺がんは大きく「非小細胞がん」と「小細胞がん」に分かれれます。それぞれ使われる薬が異なります。
このうち非小細胞がんではさらに「非扁平上皮がん」と「扁平上皮がん」で分けられます。ゲフィチニブ、ペメトレキセド、ベバシズマブ(アバスチン)、クリゾチニブは非扁平上皮がんが対象となる薬です。
非扁平上皮がんで使われる薬
EGFRの遺伝子に変異があるかどうかで使う薬や計画が違ってきます。EGFR陽性の人では、初回治療でゲフィチニブかエルロチニブの単独療法、もしくはプラチナ製剤併用療法が選ばれます。
どれを先に選んでもよいとされ、患者さんのライフスタイルや価値観、体調などに応じて決められます。多くの場合、「ゲフィチニブ単独療法」が選ばれます。プラチナ製剤併用療法では、「シスプフラチン+ペメトレキセド療法」が初回治療になっています。
初回治療の効果がなくなったときの2次治療では、初回にゲフィチニブを使わなかった人はゲフィチニブ、使った人は「シスプラチン+ペメトレキセド療法」もしくは「パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブ療法」が選ばれます。
ペメトレキセドは維持療法でも注目されています。海外の臨床試験で、プラチナ製剤併用療法後に、引き続きペメトレキセドを投与した群では、非扁平上皮がんでは無増悪生存期間を延長したとの結果が出ました。
EGFR陰性の人はALKの検査をすることが推奨されています。ALK陽性の場合はクリゾチニブが用いられます。ALKも陰性の人は、「シスプラチン+ペメトレキセド療法」や「パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブ療法」が選択されます。
高齢者では毒性の少ない単剤治療が標準的で、よく使われるのは「ドセタキセル単独療法」などです。
扁平上皮がんで使われる薬
「パクリタキセル+カルボプラチン療法」または「シスプラチン+ゲムシタビン療法」が標準的治療です。
以上、非小細胞肺がんで使われる薬についての解説でした。