腎臓がんの検査では針生検をして細胞を採取することをしません。そのため、画像の様子から腎臓がんかどうかを判別することが基本ですが、手術してからはじめて判別されることもあります。
腎臓がんと似ている良性の腎臓腫瘍
1)単純性腎嚢胞
・50歳以上の約50%に認められるとされている。
2)皮質線腫
・組織学的にがんとの鑑別は困難。
3)後腎性線腫
・腫瘍の平均的な大きさは5.5cm。
・術前診断は困難。
4)オンコサイトーマ(oncocytoma)
・画像診断、臨床像とも腎細胞がん(特に嫌色素性)との鑑別は困難。
・経皮的針生検も鑑別上の意義は少ない。
・腎細胞がんとの合併も少なくないので、外科的切除が基本となる。
5)血管筋脂肪腫
・50~60歳代の女性に多い。思春期前には、ほとんどみられない。
・結節性硬化症に伴うものが20%で、多発、両側性が多い。
・鑑別診断
CTで脂肪成分が少量でも認められれば、AMLの可能性が高い。
14%ではCTで脂肪成分がみられず、脂肪成分が少ない。AMLの診断は困難である場合が少なくない。
腎細胞がんと異なり、MRI(またはCT)で偽被膜がないことが、診断の一助になる。
・AMLからの後腹膜出血。
4cm以上では出血のリスクが高い。
軽症:貧血、高血圧。
重症:10%、側腹部痛、血尿、腫瘤触知、出血性ショック。適切に対応しないと致命的になる場合がある。