温熱療法は、がん細胞が高温に弱いことを利用する治療法です。
単独で行われることはまれであり、免疫療法や放射線治療、化学療法などと併用されます。とりわけ一部の抗がん剤(シスプラチンやドキソルビシン)と併用すると、化学療法の効果を高めるという報告もあります。
肝内胆管がんの場合、おもに腫瘍の部分だけを温める方法が試されています。その際、一般にはマイクロ波をあてて腫瘍の内部から熱を放出させ、40数度Cまで温度を上昇させます。
しかしこの手法は、照射する領域に金属が入っている場合には、金属によってマイクロ波が乱反射するために利用できません。肝内胆管がんの場合、がんによる狭窄部を拡張して胆汁を排出するために、ステントという金属の網でできた筒を胆管に入れることがあります。
このような治療を受けている患者は、マイクロ波による温熱療法は受けられません。内部にニクロム線を通した温熱チューブをステントに入れ、これによって腫瘍を加熱する方法を試みている医師もいます。