がんの再発とは、がんの根治的な治療を行ったあとに、新たにがんができた場合やほかの部位へ新たにがんが転移した場合のことをいいます。転移=遠隔再発ともいいますが、一般的に同じ部位にできた場合を再発といいます。
肺がんでは、再発しやすい部位として肺のなかの別の部位、肺に近い部位(縦隔、肺門、首、鎖骨上)のリンパ節、脳、骨、肝臓、副腎などがあります。
それに対して「再燃」とは、治療をおこなったがんと同じものが、最初の治療で縮小できたものの再度大きくなってきた場合のことをいいます。
早期の肺がんの場合、手術後に化学治療(抗がん剤使用)を併用することで、再発率が10%程度さがることが分かっています。ただし、化学療法の副作用が生じる可能性もあるので、その予防効果と副作用のバランスを考慮する必要があります。
一方、進行がんの場合は予防的な治療の有効性がまだ認められていません。
肺がんの再発に関する検査
再発や再燃の早期発見のためには、定期的に経過観察をおこなう必要があります。具体的にはMRIやPET、骨シンチグラフィ検査などをおこないます。しかし、再発の場合、早期に発見できたときでも、すでにがんが他臓器に転移していることが多いのが現状です。
肺がん再発時の治療方法
肺がんの再発・再燃時には、ほかの部位への転移の可能性が高いため、治療の選択肢としては化学療法(抗がん剤など薬を使った治療)しか選択肢がない場合がほとんどです。
過去に放射線治療をおこなっていない場合では、放射線治療が効果的なこともよくあります。小細胞がんでは治療後、長い期間(90日間以上)たってから再発・再燃した場合には、化学療法が効きやすいとされていますが、それでもがんを完全に消すことはできません。
患者の状態により、前回と同じ抗がん剤を使う場合も、異なる抗がん剤を使う場合もあります。また、放射線療法や対症療法がおこなわれることもあります。そのほかの部位で再発や再燃をした場合には転移時と同様、全身状態などを加味しながら治療や対症療法、緩和治療を検討します。
以上、肺がんの再発についての解説でした。
肺がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。