肺がんの有無を調べるため、痰を調査したり、気管支鏡で組織を採取して調査したりしても、がんの有無がはっきり分からない場合は、胸腔鏡(きょうくうきょう)検査がおこなわれます。胸腔鏡検査とは、内視鏡を使った手術のひとつです。
CCDカメラ技術の進歩とともに、内視鏡の性能やサイズも随分改良されました。このため、通常の手術のように大きく胸を切り開かずに内視鏡を使って、胸に小さな穴をあけ手術をおこなうことができるようになっています。
肺がん胸腔鏡検査の進め方
胸腔鏡検査は全身麻酔でおこないます。最近では、検査目的で大きな処置をおこなわない場合、局所麻酔でおこなわれることもあります。
一般には、胸の3カ所に1cm程度の小さな穴をあけて、内視鏡と2台のビデオカメラを入れます。手術中は直接的に病変患部はみえませんので、カメラの撮影映像をみながら手術をおこないます。
胸腔鏡のメリットとしては、切開が少ないため、傷が小さく痛みが少なくすみ、からだへの負担が少ないということです。一方、デメリットとしては、通常の手術と比べて、技術的にむずかしいという点です。
その他の方法「縦隔鏡検査」「開胸検査」とは
縦隔鏡検査とは胸腔鏡と同様、内視鏡を使った手術です。胸部を小さく切開して縦隔のなかを観察したり、気管の周囲のリンパ節を採取して、転移を確認したりします。
また、開胸生検とは、外科的に開胸手術を行い、腫瘍から直接がんの組織を採取して検査する方法です。これはさまざまな検査でも診断がつかないときや、画像診断から肺がんであることが確実でほかに転移もなく、手術が可能であるときにおこないます。
肺がんが確定したときには、そのまま肺の一部を摘出する手術がおこなわれることもあります。
以上、肺がんの検査法についての解説でした。