肺がんは骨転移を起こすことが特徴です。この骨転移を調べるために、アイソトープ(放射性物質)を使って骨の検査(骨シンチグラフィ検査)をおこない、その進展度を確認します。さらに詳しく調べるためにPET検査を行うこともあります。
骨シンチグラフィとは
骨シンチグラフィではまずアイソトープ(テクネシウムリン酸化合物)を体内に注射します。すると、テクネシウムが骨の代謝や反応の激しい部分、つまり骨転移の疑いのある個所に集まります。具体的には、注射後、およそ3時間ほどたってからガンマカメラで撮影すると、テクネシウムが集積した部位が黒くみえます。
ただし、テクネシウムが陽性だからといって、必ずしも骨転移があるわけではありません。
被ばくのリスクは?
骨シンチグラフィ検査法で使用する放射性物質アイソトープの放射線はきわめて微量です。すぐに体内から消失もしますので、被ばくは最小限ですみます。放射線に関する心配は必要ありません。
PETとは?
PETは陽電子放出断層撮影の略です。PETもアイソトープを使う検査ですが、より高度な技術でコンピュータ処理をおこなうことで、アイソトープがどこに集積しているかがよくわかります。
検査は、まずブドウ糖にFDGというアイソトープをつけて注射します。すると、がんはブドウ糖の代謝が活発なので、FDGはがん組織に集まりやすくなります。
その画像から、がんの可能性を診断します。しかし、ブドウ糖はがん組織にだけ集まるわけではないので、陽性だからといって、がんと診断できるわけではありません。あくまでがんの疑いがある部分を明らかにするための検査だといえます。
以上、肺がんの検査についての解説でした。