【レジメン】
AMR(アムルビシン)=45mg/㎡:静脈内投与(約5分間)
【制吐対策】
①5-HT3受容体拮抗薬(Day1)
②デキサメタゾン9.9mgIV(Day1),8mgPO(Day2~3)
基本事項
【適応】
小細胞肺がん 再発症例
【奏効率】
・奏効率
75.8%
・生存期間(中央値)
11.7カ月
【副作用】
・白血球減少:93.9%
・好中球減少:95.0%
・ヘモグロビン減少:81.2%
・血小板減少:47.0%
・食欲不振:65.7%
・悪心・嘔吐:58.6%
・脱毛:70.4%
・ALT上昇:22.7%
・AST上昇:17.1%
・発熱:29.8%
レジメンチェックポイント
①投与前の確認:制吐薬
②前治療の確認
ほかのアントラサイクリン系薬剤など心毒性を有する薬剤による前治療が限界量に達している患者は心筋障害があらわれるおそれがある。代表的なアントラサイクリン系薬剤の限界量は以下のとおり。
・ダウノルビシン:総投与量25mg/kg
・ドキソルビシン:総投与量500mg/m2
・エピルビシン:総投与量900mg/m2
・ピラルビシン:総投与量950mg/m2
③投与量の確認
<投与開始前の規定>
・初回投与時:投与前の臨床検査で白血球数4,000/mm3以上12,000/mm3以下、血小板数100,000/mm3以上、ヘモグロビン値10g/dL以上
・次コース以降の投与時:白血球数3,000/mm3以上、血小板数100,000/mm3以上
<減量規定>
投与後、白血球数1,000/mm3未満が4日以上持続した場合、または血小板数の最低値が50,000/mm3未満の場合には、次コースの投与量を前コースよりも5mg/m2/日減量する
④点滴速度の確認
約20mLの生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、静脈内に投与
副作用対策と服薬指導のポイント
①高度な骨髄抑制:
重篤な感染症(敗血症、肺炎など)の発現による死亡例が報告されている。投与中に感染徴候に十分留意し、感染予防について指導を行う
②心筋障害:
ほかのアントラサイクリン系薬剤では、心筋障害、さらにうっ血性心不全などの症状があらわれるとの報告があるので、心機能に対する観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬または投与を中止すること。特にほかのアントラサイクリン系薬剤など心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者に投与する場合には十分注意すること