
こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。
大腸がんが末期になるとどうなるのか、最期を迎えるときにどのような症状が現れるのか。これは患者さんご本人やご家族にとって、知りたいけれど聞きにくい、とても重要なテーマです。
大腸がんの末期とは、がんが他の臓器に転移し、標準的な治療では根治が難しい状態を指します。この段階では、転移した臓器の機能が徐々に低下し、最終的には生命維持が困難になります。
本記事では、大腸がん末期の実態について、結腸がんと直腸がんの違いを踏まえながら、起こりうる症状、余命、苦痛への対応、緩和ケアの実際について詳しく解説します。
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大腸がん末期の基本的な病状の進行
大腸がんが進行して末期状態になると、がんは原発部位から離れた臓器に転移し、そこで増殖を続けます。転移先の臓器が正常に機能できなくなることで、生命に関わる状態が生じます。
大腸がんで亡くなった患者さんの病理解剖の結果を見ると、一部の例外を除いて、がんは全身的に広がっていることが確認されています。特に多く見られる転移先は以下の通りです。
| 転移部位 | 特徴 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 肝臓転移 | 大腸がんで最も多い転移先 | 黄疸、腹水、肝不全 |
| 肺転移 | 血流を介して転移 | 呼吸困難、血痰、呼吸不全 |
| 腹腔内転移 | がん性腹膜炎を引き起こす | 腹水、腸閉塞、腹痛 |
| 局所再発 | 手術部位周辺での再発 | 痛み、臓器圧迫症状 |
| 骨転移 | 進行例で見られる | 骨痛、病的骨折、脊髄圧迫 |
これらの転移が複数同時に起こることも珍しくありません。転移した臓器での腫瘍の増大により、その臓器の機能不全が進行します。
肺に転移すれば呼吸不全、肝臓に転移すれば肝不全という状態になり、これらの臓器不全によって生命を失うことが多いといえます。
直腸がん末期の症状と経過
直腸がんは大腸がんの中でも、特有の進行パターンと症状を示します。根治を目指して手術を行った後でも、リンパ節転移や局所再発が起こりやすいという特徴があります。
骨盤内での腫瘍増大による影響
直腸がんの腫瘍は骨盤内で増大していきます。この過程で周囲の臓器や組織を圧迫し、様々な症状を引き起こします。
特に問題となるのが尿路系への影響です。腫瘍が尿管を圧迫すると、尿の流れが妨げられて水腎症を起こします。水腎症が進行すると、尿が全く出なくなる無尿状態や、体内に老廃物が蓄積する尿毒症に至ることがあります。
また、膀胱への感染が起きると腎盂炎を発症し、高熱発作を繰り返すことで患者さんの体力が著しく消耗します。このような泌尿器系の合併症が、直腸がん末期の患者さんを衰弱させる主要な要因の一つとなっています。
尿路症状への対処法
尿路が圧迫されて起こる症状に対しては、対症療法として腎瘻(じんろう)などの尿路変向術を行うことがあります。
腎瘻は、背中から腎臓に直接チューブを挿入し、尿を体外に排出する処置です。この処置により、尿の流れを確保することで尿毒症の進行を抑え、症状を軽減できることがあります。
ただし、この処置はあくまで対症療法であり、がんそのものを治療するものではありません。患者さんの全身状態や治療方針、ご本人とご家族の希望を総合的に考慮して実施を判断します。
神経圧迫による痛みへの対応
直腸がんの腫瘍が仙骨の前面に広がると、坐骨神経を圧迫したり、骨に浸潤することがあります。この場合、患者さんは強い痛みを経験することになります。
この痛みは日常生活に深刻な影響を及ぼすため、適切な疼痛管理が不可欠です。鎮痛剤の使用を中心とした疼痛対策が重要になります。
痛みの程度に応じて、非オピオイド鎮痛薬から開始し、必要に応じて弱オピオイド、強オピオイドへと段階的に変更していきます。WHO方式がん疼痛治療法に基づいた適切な薬剤選択と投与が、患者さんのQOL維持に大きく貢献します。
| 直腸がん末期の主な症状 | 原因 | 対応策 |
|---|---|---|
| 水腎症・無尿 | 尿管圧迫 | 腎瘻造設、尿路変向術 |
| 尿毒症 | 腎機能低下 | 尿路確保、透析の検討 |
| 腎盂炎・高熱 | 尿路感染 | 抗菌薬投与、尿路管理 |
| 坐骨神経痛 | 神経圧迫、骨浸潤 | 鎮痛剤投与、放射線治療 |
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結腸がん末期の症状と経過
結腸がんは直腸がんとは異なる転移パターンと症状の特徴を持ちます。最も特徴的なのは、肝臓への転移が多く見られることです。
肝転移の進行と症状
結腸がんから肝臓に転移が起きても、初期段階では無症状であることがほとんどです。肝臓は予備能力が高い臓器であり、転移巣が大きくなって肝臓全体の過半を占めるようになるまで、明確な症状が現れにくいという特徴があります。
転移が小さい段階では、外科的切除や局所療法による治療が優先されます。しかし、切除ができない状態で腫瘍が徐々に増大していくと、以下のような症状が現れます。
まず黄疸が出現します。これは肝臓の機能が低下し、ビリルビンという物質が体内に蓄積することで起こります。皮膚や白目が黄色くなり、尿の色が濃くなります。
次に、腹水が貯まるようになります。肝臓での血液の流れが悪くなることで、腹腔内に液体が溜まります。腹部が膨満し、呼吸が苦しくなることもあります。
さらに進行すると、肝臓からの出血が起こったり、肝性脳症という意識障害が現れることがあります。最終的には肝不全に至り、生命の危機に直面します。
腹腔内転移と腸閉塞
結腸がんでは、肝転移と同時に腹腔内転移(がん性腹膜炎)が起こりやすいという特徴があります。腹膜にがん細胞が播種されると、腸管の動きが悪くなったり、腸管が狭くなったりして、がん性イレウス(腸閉塞)を引き起こすリスクが高まります。
腸閉塞が起きると、腹痛、嘔吐、腹部膨満などの症状が現れます。食事や水分の摂取が困難になり、患者さんの体力は急速に低下します。
このような場合、対処的な治療として人工肛門(ストーマ)造設を行うことがあります。腸閉塞を起こしている部分よりも手前で腸管を体外に出し、便の出口を確保することで、症状の緩和を図ります。
また、経鼻胃管を挿入して胃の内容物を持続的に吸引したり、イレウス管を挿入して腸管内の減圧を行うこともあります。これらの処置により、嘔吐や腹痛を軽減し、患者さんの苦痛を和らげることができます。
肺転移の進行パターン
結腸がんからの肺転移は、血流を介して起こります。初期には血痰が出ることがありますが、多くの場合は無症状です。
胸部X線写真やCT検査を行うと、肺野に丸い影(結節)として転移巣が発見されます。しかし、症状の出現はゆっくりで、肺全体に転移が広がり、X線写真で肺野が白く写るほどになるまで、呼吸困難や咳が出ないこともあります。
これは肺も肝臓と同様に予備能力が高く、機能の低下が徐々に進行するためです。患者さん自身が呼吸の苦しさを自覚するころには、かなり進行した状態になっていることが多いといえます。
肺転移から脳転移への進展
注意が必要なのは、肺の機能障害による症状が現れる前に、肺から脳への転移が起こることがあるという点です。
脳転移が生じると、頭痛、嘔吐、めまい、けいれん、手足の麻痺、言語障害などの神経症状が先に現れる場合があります。これらの症状は脳のどの部分に転移が起きたかによって異なります。
脳転移が見つかった場合、放射線治療(全脳照射や定位放射線治療)や、場合によっては外科的切除が検討されます。ただし、全身状態や他の転移の状況によって、治療方針は慎重に決定されます。
| 結腸がん末期の主な症状 | 原因 | 対応策 |
|---|---|---|
| 黄疸 | 肝機能低下 | 症状緩和、胆道ドレナージ |
| 腹水 | 肝機能低下、腹膜播種 | 利尿剤投与、腹水穿刺 |
| 腸閉塞 | 腸管狭窄、腹膜播種 | 人工肛門造設、イレウス管 |
| 呼吸困難 | 肺転移の進行 | 酸素投与、モルヒネ投与 |
| 神経症状 | 脳転移 | 放射線治療、ステロイド投与 |
末期における余命と予後
大腸がんが末期と診断された場合の余命は、転移の範囲、全身状態、実施可能な治療の有無など、様々な要因によって大きく異なります。
一般的に、複数の臓器に転移があり、標準的な化学療法の効果が得られなくなった段階では、余命は数か月から1年程度と考えられることが多いです。しかし、これはあくまで統計的な目安であり、個々の患者さんによって経過は異なります。
肝転移が主体の場合と、肺転移が主体の場合では、症状の進行速度が異なることがあります。また、患者さんの年齢、全身状態、がんの生物学的な性質(悪性度)も予後に影響します。
重要なのは、余命の数字そのものよりも、残された時間をどのように過ごすか、どのような症状緩和が可能か、という点です。医療チームは余命の予測を参考にしながらも、患者さんとご家族の希望を最優先に考えた治療計画を立てます。
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末期における痛みと苦痛への対応
大腸がん末期の患者さんが経験する苦痛は、痛みだけではありません。様々な身体的症状と精神的苦痛が複合的に現れます。
身体的な苦痛
痛みは末期がん患者さんの最も重要な症状の一つです。腫瘍による臓器の圧迫、神経への浸潤、骨転移などが痛みの原因となります。
その他の身体症状として、以下のようなものがあります。
- 呼吸困難:肺転移や腹水による横隔膜の挙上
- 嘔気・嘔吐:腸閉塞、肝機能障害、薬剤の副作用
- 食欲不振:がんの進行、全身倦怠感
- 倦怠感:がんによる消耗、貧血、代謝異常
- 便秘または下痢:腸管機能の障害
- 浮腫:低栄養、リンパ管の閉塞
緩和ケアの実際
これらの症状に対しては、緩和ケアのアプローチが重要になります。緩和ケアとは、生命を脅かす病気に直面している患者さんとその家族に対して、痛みやその他の身体的・心理的・社会的問題を早期に発見し、適切に評価して対処することで、QOL(生活の質)を改善するアプローチです。
痛みに対しては、WHO方式がん疼痛治療法に基づいて、適切な鎮痛薬を選択し、定期的に投与します。オピオイド(医療用麻薬)の使用を恐れる患者さんやご家族もいますが、適切に使用すれば依存症の心配はなく、痛みを効果的にコントロールできます。
呼吸困難に対しては、酸素投与や体位の工夫、少量のモルヒネ投与が有効です。嘔気・嘔吐には制吐剤を使用し、必要に応じて胃管やイレウス管での減圧を行います。
倦怠感は対処が難しい症状ですが、貧血の補正、適度な活動と休息のバランス、栄養サポートなどが役立つことがあります。
精神的・社会的サポート
末期がんの患者さんは、不安、恐怖、抑うつ、孤独感などの精神的苦痛も経験します。これらに対しては、医療スタッフとのコミュニケーション、心理士によるカウンセリング、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬の使用が考慮されます。
また、経済的な心配、家族への負担、死への準備など、社会的・スピリチュアルな問題についても、医療ソーシャルワーカーや宗教家、ボランティアなどが支援を提供します。
治療継続の判断について
大腸がんの末期において、最も難しい判断の一つが「いつ治療を止めるか」という問題です。
抗がん剤治療を続けるべきか、中止すべきか。この判断には正解がなく、患者さんの状態、治療による効果と副作用のバランス、患者さんご本人とご家族の希望など、多くの要素を考慮する必要があります。
抗がん剤治療継続の判断基準
抗がん剤治療を継続するかどうかは、以下のような点を総合的に評価して判断します。
| 評価項目 | 継続を考慮する場合 | 中止を考慮する場合 |
|---|---|---|
| 全身状態 | 日常生活が自立 | 寝たきり状態 |
| 治療効果 | 腫瘍縮小または安定 | 明らかな増大 |
| 副作用 | 管理可能な範囲 | QOLを著しく低下 |
| 患者の意向 | 治療継続を強く希望 | 治療の中止を希望 |
全身状態の評価には、PS(パフォーマンスステータス)という指標が用いられます。PS 0-2(自立した日常生活が可能)であれば治療継続が検討されますが、PS 3-4(日常生活に介助が必要、または寝たきり)の場合は、治療による利益よりも負担が大きい可能性があります。
ベストサポーティブケアという選択
積極的な抗がん剤治療を行わず、症状を和らげることに焦点を当てた治療を、ベストサポーティブケア(最善の支持療法)と呼びます。
BSCは「何もしない」ことではありません。痛みやその他の苦痛症状を積極的に管理し、患者さんのQOLを最大限に保つための医療です。場合によっては、抗がん剤治療を続けるよりも、患者さんにとってより良い選択となることがあります。
治療方針の決定は、医療チームと患者さん、ご家族が十分に話し合い、患者さんの価値観や希望を尊重しながら行うべきです。一度決めた方針も、状況の変化に応じて柔軟に見直すことが大切です。
看取りの場所と準備
大腸がん末期の患者さんとご家族にとって、最期をどこで迎えるかは重要な問題です。
選択肢としては、病院、緩和ケア病棟(ホスピス)、自宅などがあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、患者さんの状態、ご家族の介護力、地域の医療資源などによって適した場所は異なります。
病院での看取り
急変時の対応や症状管理が必要な場合、病院での療養が適しています。医療スタッフが24時間対応できる環境があり、ご家族の負担も軽減されます。
緩和ケア病棟での看取り
緩和ケア病棟は、終末期のがん患者さんのケアに特化した施設です。症状緩和に重点を置き、患者さんとご家族が穏やかに過ごせる環境が整っています。面会時間の制限が少なく、家族も付き添いやすいという特徴があります。
在宅での看取り
住み慣れた自宅で最期を迎えたいという希望を持つ患者さんも少なくありません。在宅医療、訪問看護、訪問介護などのサービスを利用することで、在宅での看取りも可能です。
ただし、ご家族の介護負担は大きくなりますので、十分なサポート体制と、ご家族の理解と協力が不可欠です。また、24時間対応可能な在宅医療機関との連携も重要です。
まとめに代えて
大腸がんの末期において、患者さんは様々な身体的・精神的苦痛を経験します。直腸がんと結腸がんでは転移パターンや症状の特徴が異なりますが、いずれの場合も適切な症状緩和と支援が重要です。
医療の進歩により、末期がんの症状を和らげる方法は多様化しています。痛みをはじめとする苦痛症状の多くは、適切な緩和ケアによってコントロール可能です。
治療継続の判断、看取りの場所の選択など、難しい決断を迫られることもありますが、医療チーム、患者さん、ご家族が十分にコミュニケーションを取り、患者さんの意思を尊重しながら最善の選択をすることが大切です。

