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50.症状と対処法

がん患者さんの味覚障害(味覚異常)の原因と治るまでの期間について

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がん患者さんの味覚障害(味覚異常)

がん闘病中には、味覚障害(味覚異常)が起きることがあります。味の変化は様々ですが主に苦みを強く感じるようになります。

抗がん剤の副作用によるものが多いですが、その他にも味覚障害を引き起こす要因はあります。

がん罹患中に起きる味覚障害にはどんなものがあるのか?原因や対処法はあるか?という点についてまとめたいと思います。

※味覚障害とは、味覚の消失あるいは味覚の変化により、食事に対して苦痛を生じている状態を指します。


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がん患者さんの味覚障害の原因として考えられるもの

がん(腫瘍)によるもの

・頭頸部がんや口腔がん、唾液腺や舌神経・舌咽神経へのがんの浸潤
・亜鉛、ビタミンB2、ビタミンA欠乏(食事摂取量の低下による)
・がん悪液質

手術によるもの

・口腔・唾液腺に関与する部位の手術
・中耳手術、扁桃腺摘出術による末梢神経障害
・胃、十二指腸切除による亜鉛吸収障害

化学療法(抗がん剤などの投与)によるもの

・抗がん薬の副作用(症状の発現頻度は、使用する抗がん薬により異なる)
・亜鉛欠乏、唾液分泌低下(薬剤の副作用として)

放射線によるもの

・照射の副作用(頻度は照射部位、照射野の大きさによって異なる)
・唾液分泌低下(照射の副作用として)

その他の原因によるもの

・精神的、心理的な刺激(ストレス、不安、うつ状態)
・口腔感染症、真菌感染、舌炎、舌苔の付着など
・抗がん剤以外の薬剤の副作用
・老化

化学療法(抗がん剤など)による味覚障害

【なぜ抗がん剤によって味覚障害が起きるのか】

・味蕾(みらい)細胞の障害:味蕾細胞が抗がん薬のダメージを受け、細胞の再生サイクルが遅くなる。

・味蕾細胞の再生障害:体内の亜鉛が薬剤と結合して排出され、亜鉛が欠乏することで生じる。

・味覚の伝達障害:唾液が減少して口腔乾燥が起こり、味の成分が味蕾に入らなくなる。
・化学療法に伴う末梢神経障害

・抗がん薬の作用:体内で代謝され、唾液に分泌された薬剤やその代謝物が含まれて排泄される薬剤がある。苦みや金属味を感じ、味覚変化が起こる。

【味覚障害が起きやすい抗がん剤】

・ビンカアルカロイド系: ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン。

・白金製剤:シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン。

・アントラサイクリン系:ドキソルビシン、ピラルビシン。

・タキサン系:パクリタキセル、ドセタキセル。

・代謝拮抗薬:フルオロウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシル、TS-1、メトトレキサート。

・アルキル化薬:シクロホスファミド。

・トポイソメラーゼ阻害薬:イリノテカン。

【作用の特徴】

抗がん薬治療を受ける患者さんのうち60%に何らかの味覚変化が起こります。

代謝拮抗薬は亜鉛の吸収を阻害し、味蕾の感受性を変化させます。治療を重ねるにつれて徐々に味覚変化が出現し悪化した場合は亜鉛不足を疑うことになります。

白金製剤やタキサン系などは、神経を介した味覚障害を起こしやすいのが特徴です。

※薬剤投与後数日以内に症状が改善する例では、亜鉛不足は考えにくい。
※血清亜鉛の基準値は80~160μg/d。しかし血清亜鉛値は体内の亜鉛不足を十分反映できない。

抗がん薬の副作用によって唾液分泌が減少し、口腔乾燥が生じると味を感じにくくなります。投薬による治療が長期間になると、さまざまな要因で味覚障害が現れることが多くなります。


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抗がん剤など薬による味覚障害、味覚異常への対処法

予防手段はないので、症状が出たときに対処をすることになります。

まずは口腔ケアを行って口腔環境を良好に保ち、味蕾の感受性を高めることが重要です。唾液分泌を促進し、亜鉛摂取を意識することになります(食事メニューを工夫するとともに、食事を楽しめる環境にする)。

1.悪心、嘔吐などの症状を伴う場合、食品からの亜鉛摂取が難しくなります。亜鉛欠乏があれば、積極的に亜鉛サプリメントなどで亜鉛を補給することになります。

2.食欲低下や食べ物への嫌悪が同時に出現しやすいので、「食べたいときに、食べたいものを食べる」ようにしましょう。

3.味覚障害が長引くと治療意欲の減退につながります。抗がん薬が原因の場合は、抗がん薬投与終了後数週間で味覚が戻ることが多く、回復しない症状ではないことを理解することも大切です。

4.服用している薬物を確認し、原因となる薬物があれば、医師と相談のうえできるだけ中止するようにします。原因がわからない場合や原因除去が難しい場合は「どうすれば、何が食べられるかを栄養士などと相談して考えることになります。

5.抗がん薬だけでなく、抗生物質、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、心血管系に作用する薬物、抗炎症薬、抗躁薬、抗パーキンソン薬、甲状腺治療薬、高脂血症薬、筋弛緩薬などは、味覚障害を引き起こす可能性があります。

放射線治療による味覚障害

口腔がんや頭頸部がんなどの放射線療法で照射野に口腔や唾液腺が含まれる場合、治療に伴う味蕾細胞の破壊、口腔粘膜の炎症反応、唾液腺の分泌低下で味覚障害が生じる可能性があります。

放射線によって決定的なダメージを受けた唾液腺は再生しません。口腔や咽頭への放射線量が増えれば増えるほど、味蕾の数が減少し、味覚障害が現れるリスクが高まります。

3大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)が照射野に含まれるときや、頭頸部がん(口腔底がん、歯肉がん、咽頭がん)などでは、唾液腺が照射野に含まれることが多いです。

対処法

放射線療法による味覚障害は、治療後半年から徐々に回復することが多いとされていますが、微妙な味が感じにくくなることもあります。

症状出現時は、唾液分泌の促進が重要となりますが照射量によっては回復が困難になります。異常が長期化するときは専門医の診断を受けましょう。口腔乾燥が強いときは、人工唾液を投与するなどの対策があります。

【具体的なケアの仕方】

・口腔ケア:食後の歯磨き、舌のブラッシング、舌苔除去

・唾液分泌の促進:頻回に水やフレッシュジュースを口に含む。ミントやレモン味のガムやキャンディを使う。食事前にレモン水や梅干しを口に含む。食べる順序の工夫(酢の物を最初に食べるなど)。

【食事の工夫】

・味がしない、味が薄い場合

濃いめの出汁を使ってコクを出す。濃い味、はっきりした味(マヨネーズ味、トマト味
カレー味など)にする。薬味、香辛料、酸味を利用する(ポン酢、ケチャップなど)。熱いものは室温に冷ましてから食べる。

・苦い、味が濃い、嫌な味がする場合

塩や醤油を控える。出汁や酸味、ゴマの香り、香辛料を使う。

・実際と異なる味がする

異なる味がする食品は避ける。金属製の食器(スプーン、フォークなど)を苦く感じる場合は使用を避ける。

・常に苦みや渋みを感じる

レモン水で口をゆすぐ。

【亜鉛摂取の促進】

亜鉛含有量の多い食品を摂る。食事では補いきれない場合は、栄養補助食品(亜鉛強化型のジュースやゼリーなど)を利用する。場合によっては、亜鉛入りの胃薬(プロマックなど)を服用する。

亜鉛含有量の多い食品

・魚介類:かき(むき身)、うなぎ蒲焼、ずわいがに(缶詰)、するめ、生たらこ、煮干し、あわび

・肉類:豚レバー、牛肩ロース、牛もも(赤身)、コンビーフ(缶詰)、鶏もも(皮なし)

・卵類:卵黄

・豆類:納豆、凍り豆腐(乾燥)

・乳製品:チーズ(パルメザンチーズ、プロセスチーズ)

・種実類:カシューナッツ、アーモンド、ゴマ

・野菜類:そら豆、ゆでたけのこ、とうもろこし

・穀類:マカロニ、スパゲティ(乾燥)、もち

・・・・・

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、治ったみたいです。おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、もう10年以上も患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

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それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

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