28.がんと栄養成分

ビタミンの薬理作用と生理作用

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■ビタミンは薬として使えるのか?

ビタミンの体の中での働きは生理作用といいます。

ビタミンB群の働きは酵素の働きを助ける補酵素の作用ですが、こうした働きが代表的な生理作用といえるでしょう。

ところが、ビタミンには薬理作用といわれるものがあります。これはビタミンを普通の欠乏症を防止する量よりももっとたくさん取ったときの働きと考えていいと思います。その量は10倍とか数10倍といった量になります。

1番良い例は出血性の病気の予防に、あるいは出血とか吐血をした時に、ビタミンK剤を注射したり、経口的に投与したりすることがあります。ビタミンK剤は使用法が難しいので、医家用の製剤だけがあり、薬局で買える薬剤はありません。

この場合はビタミンKの生理作用の1つである血液凝固因子の生産を高める機能を医薬品として多量に与えています。ですから、多量に与えることで、ビタミンKの薬理作用を期待していることになります。

この他にも、ビタミンには栄養所要量の10倍あるいは数10倍与えると、生理作用を強めるだけでなく、別の薬としての働きが出てくることがあります。中には、あまりたくさん取りすぎると過剰症を引き起こして、かえって具合が悪くなることもあります。それで、各ビタミンについて薬理作用、安全性と過剰症について、正しい知識を持つことが大切になります。

ビタミンAやDなどの極く一部のビタミンを除けば、ほとんどのビタミンで過剰症を起こすことはまずありません。それは、多くのビタミンが体に余分に貯まりにくい性質をもっているためです。

つまり、余分なビタミンは直ぐに体の中を素通りしていきますが、普段必要とする量よりも10倍ものビタミンを取ると、ビタミンの薬としての性質が強く現れてきます。このように、薬としての性質をうまく利用しているのが薬理作用というわけです。

■加齢とビタミン

人は誰もが同じように年をとって、老化していくわりではありません。また、体の中でも場所や臓器によって、老化していくスピードも進み方も違っています。段々年をとっていくうちに、この進行の違いが目立ってきます。

そうした時には、普通のとき以上に余分のビタミンを取らないと、ある臓器で正常なビタミンの濃度が保てなかったり、少し不足した時に回復するのにたくさんの量のビタミンが必要になったりします。

また、精神的なストレスを強く受けたり、毎日汚染した空気を吸っていたりすると、普段よりも余分のビタミンを必要とするようになります。

その他、ビタミンによっては健康の維持に欠かせないといわれているものがたくさんあります。これらのビタミンの効果は、生理作用のために必要な量より余分にとらないと効果が現れにくいとされています。この量は生理作用と薬理作用の中間の量なので、健康量とよくいわれますが、どれくらい取ると効果が出てくるのかはあまりはっきりしていません。

健康量とは、ある意味では、ビタミンがもっている様々な効果、特に成人病や老化を予防するという側面を強調し、健康で過したいという人々の期待と合致した期待量といえるかも知れません。

なぜかといえば、日本のように早く社会の高齢化が進行してくると、人におけるビタミンのこうした効果を調べても結果がはっきりわかるまでに何年も必要で、まだ研究が途上にあるためです。

もちろん薬理作用の中には、人に遺伝的欠損があり、普通の食事から取っているビタミンの量ではとても足りなくて、特別なビタミンの欠乏症を起こすために、特にたくさんの特定のビタミンを必要としたり、活性型のビタミンが要求されることも含まれます。

また、病気にかかった際、あるビタミンがその治療に有効であることも知られていますし、病気のために色々なビタミンの必要量が増えることもあります。

また、薬理作用と生理作用の中間的な働きで、癌(がん)、虚血性心疾患、成人病の予防に有効と考えられているビタミンもあります。

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