07.乳がん

乳がん検査・診断の基本的な流れ

2015/05/21

manmo

乳がんの検査・診断は”画像診断”に頼ります。その中で「超音波(エコー)検査」と「マンモグラフィー」は基本中の基本といえる検査です。

■超音波検査

超音波検査は局所にゼリーをつけてプローブ(探触子)という器具を乳房にあて、そこから超音波を体にあてて反射の違いから画像化します。

超音波は悪性を疑わせる石灰化は分からないという弱点があります。ところが、小さなシコリの発見にはとてもすぐれています。その上、シコリの状況も分かります。細胞の詰まっているシコリなのか、それとも水がたまっているシコリなのか、そこまでわかります。
ただし、超音波は記録性に乏しく、超音波検査を行う人の技量にも大きく左右されるのが問題として指摘されています。乳腺の豊富な20~30代、40代半ばの方々にはマンモグラフィーよりも超音波検査の方が適しているといわれています。

■マンモグラフィー

乳腺専用のX線検査機器のことを「マンモグラフィー」といいます。乳房を上下、左右からはさんで2方向から撮影する方法です。記録性と再現性に富み、悪性を疑わせる石灰化がよく分かるという強みがあります。

石灰化というのはがんの一部が壊死し、そこにカルシウムが沈着したものです。ただし、乳腺の豊富な若い方の場合は、シコリも乳腺もともに白くうつるので、シコリを発見できないことがあります。

超音波、マンモグラフィーともにそれぞれ強みと弱みがあります。それを2つはうまくカバーし合うので、この2つの画像検査が必要不可欠だといえます。

そして、必要に応じて「MRI(磁気共鳴断層撮影)」や「CT(コンピュータ断層撮影)」を行うこともあります。

超音波やマンモグラフィーはすぐに使える点でとても有効ですが、MRIは乳房を残す手術の乳房温存手術を行う場合は不可欠になります。MRIは多くの検査機器の中で、石灰化を除いたシコリに対しては最も感度が高いのです。温存手術では乳がんが多発していないかどうか、他にごく小さな乳がんが発生していないかどうかを厳密にチェックする必要がありますが、その目的を果たせる検査だといえます。

MRIでがんと疑わしき部分があった場合には、再度、超音波で調べます。MRIで場所が指定されているので、超音波で丁寧に確認して、がんの有無を正確にチェックするため、針を刺して組織を採ることができます。

がんを小さな段階で発見するにはMRIはとても有効だといえます。

では、高感度のMRIが最初の検査から必要かというとそうともいえませんが、遺伝性乳がんの発生に関与している「BRCA1遺伝子」や「BRCA2遺伝子」が陽性の人はMRIを優先すべきです。

この遺伝子陽性の人はいつ乳がんができても不思議ではありません。そのため毎年検診を受ける必要があります。その場合、マンモグラフィーと超音波検査を受け、さらにMRIを加えます。

また最近はCTを行うときに造影剤を入れて行う「造影CT」が行われています。

これらの画像検査は「がんが疑われる」というところまで調べるもので、確定診断ではありません。最終の確定診断は「組織診」という検査になります」

組織診とは局所麻酔をして超音波画像を見ながら、がんと疑われるところに太めの針を刺して組織を採ってくる針生検です。

まだ細胞診も行われているが、細胞診は採ってくる細胞が少ないために、がんであろうと思われてもがんと確定できない不確定要素があるため、組織診がより広く行われています。

ただし、微細石灰化像の場合は超音波では難しいことと、さらに多く組織を採ってくるために、「マンモトーム生検」が行われています。

これはマンモグラフィーを使って2方向から撮影し、石灰化の位置を立体的に深さを計算して、石灰化の位置が特定して針を刺し、組織を採る検査方法です。

これは局所麻酔で行われますが、このときに使う生検の針は大きく異なる。針生検の針は直径約2ミリに対して、マンモトームの針はそれより太く3~4ミリです。吸引器と連結していて組織を吸引します。

かつては「切開生検」といって、乳房を2~3センチ切開して組織を取ってくる方法も行われていました。それよりもマンモトーム生検の方が患者の体に負担は少ないといえます。
あとは採ってきた組織を病理医が診断して、がん細胞の有無やがん細胞のタイプを調べるという検査に移ります。

以上、乳がんの検査についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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