25.抗がん剤・分子標的薬

がんのホルモン療法で使われるホルモン剤(薬)の種類と効果・副作用について

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がんのホルモン療法で使われるホルモン剤(薬)
乳がんや子宮体がん、前立腺がんでは、特定の「性ホルモン」ががん細胞の増殖に関わっていることが分かっています。そこで、そのホルモンと反対の作用をするホルモン剤を投与することで、ホルモンの作用を抑え、がんの増殖を抑えます。

ホルモンは、がん細胞にあるホルモン受容体と結びつくことで初めて作用します。受容体がないのにホルモン剤を投与しても、がんの増殖は抑えられません。つまりホルモン剤は「効果がある」と事前に分かっている人に対して使用されます。

性ホルモンによって成長するがんを「ホルモン依存性のがん」といいます。ホルモン依存性かどうかは、がん細胞の核の中にホルモン受容体があるかどうかで決まります。

例えば乳がんの場合、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)受容体かプロゲステロン(黄体ホルモン)受容体のどちらかがあれば陽性とみなされ、ホルモン剤の効果が期待できます。乳がんでは60~70%が陽性です。

ホルモン剤もいくつかの種類に分けられます。いずれも天然のホルモンに似せて作られた化学合成薬です。

■アロマターゼ阻害薬

閉経後は卵巣からのエストロゲン分泌がストップします。代わりに脂肪や肝臓、筋肉でつくられる男性ホルモン(アンドロゲン)がアロマターゼという酵素によってエストロゲンに変換されます。

アロマターゼ阻害薬はこの酵素のはたらきを抑えることで、アンドロゲンをエストロゲンに変換できなくします。アナストロゾール、エキセメスタンなどがあります。

■抗エストロゲン剤

エストロゲンに似せた物質で、送り込まれたがん細胞の中にホルモン受容体があると、エストロゲンよりも先にその受容体に結合して、エストロゲンが作用できなくします。タモキシフェンがよく使われます。

また抗エストロゲン剤のフルベストラントは閉経後乳がんに対して使われる比較的新しい薬です。

■LH-RHアゴニスト製剤

LH-RHとは性腺刺激ホルモン放出ホルモンのことで、脳の視床下部から放出されます。卵巣を刺激してエストロゲンの分泌を促したり、精巣を刺激して男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促したりします。

LH-RHアゴニスト製剤は、LH-RHと似た構造をもつ薬で、LH-RHが下垂体の受容体にくっつくのを阻止します。この結果、エストロゲンやテストステロンの分泌が抑制されます。

■黄体ホルモン剤

黄体ホルモンのプロゲステロンに似せて合成された薬で、多量に使うことで抗エストロゲン効果をもたらします。

■エストロゲン剤・抗アンドロゲン剤

いずれも男性ホルモンのアンドロゲンの作用を抑える薬で、ステロイド性と非ステロイド性があります。エストロゲン剤ではエストラムスチン、抗アンドロゲン剤ではフルタミド、ビカルタミドなどがよく使われます。

■LH-RHアンタゴニスト製剤

LH-RHアゴニスト製剤と反対に、LH-RHの分泌を阻害する作用をもつホルモン剤です。前立腺がんのデガレリクスがあります。

以上、ホルモン治療薬についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。

⇒ がんを治すための「たった1つの条件」とは?

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