08.子宮頸がん

子宮頸がんを調べる細胞診とベセスダ分類

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子宮頸がんを調べる細胞診

子宮頸がんを発症しているかどうかを調べる検査が「細胞診」です。細胞診では膣にアヒルの口のような形をした膣鏡(クスコ)を入れ、ブラシやへラを使って子宮頸部表面の細胞をこすりとります。これを「擦過細胞診」といいます。

子宮頸部の表面をおおっている扁平上皮細胞は、細胞が何層にも重なっていて、表層の細胞は軽くこするだけではがれるため、細胞を採取するといってもほとんど痛みは生じません。

採取した細胞はスライドガラスに塗って染色し、専門家が顕微鏡で調べます。異形成やがん細胞は、細胞や核の形・大きさ・染色性などに異常がみられます。

■HPV検査もいっしょに受けるケースも増加

人間ドックなどでは、細胞診に加えてハイリスクHPVに感染しているかどうかの検査を行うこともできます。子宮頸がんの原因となるハイリスクHPVの代表的な13の型のどれかに感染しているかどうかを調べる検査で、通常の子宮頸がんの対策型がん検診には含まれていません。

人間ドックでの検査費用はすべて自費です。細胞診とHPV検査を併用して行うことで、細胞診だけの検診より精度があがる(見落としをなくす)利点があります。両方で異常がなければ、異形成やがんが見のがされる可能性はほとんどありません。

■細胞診の結果「ベセスダ分類」される

細胞診の結果は、これまでは5段階に分けるクラス分類で示されていました。この分類は長らく使われてきたものですが、子宮頸がんとHPVの関連が明らかになるなど、新しい知見が得られるにつれて問題点も指摘されてきました。

たとえばクラスⅢaとは「軽度・中等度異形成」を想定し、精密検査をするものとされています。ところが、細胞診は形態学(形を見た目で判断する)なので、「形からすると正常とはいえない細胞」や、「もしかすると異形成以上があるかもしれないが、はっきりいえない細胞」も出現してきます。

このような細胞もクラスⅢaやクラスⅢbに分類するしかありません。その結果、クラスⅢaとされた人を精密検査しても、異形成以上の病変は約40%で、残りの約60%は炎症などの良性の変化でした。

このような状況では、クラスⅢaをすべて精密検査するのは現実的ではなく、多くの医師は細胞診の再検査で対応するなど、取り扱い方は統一されていませんでした。

そのため、検査結果を単にクラス分類で示すのではなく、細胞診からわかることをより正確に伝えられるように、推定病変を記述的に記載する形式になったのです。これが国際分類法である「ベセスダ・システム」にもとづいた判定方法「ベセスダ分類」です。

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■ベセスダ分類で微妙な異常も表現可能に

このベセスダ分類にかわったことで、結果を示す用語が難しくなったように思われますが、診断が困難な微妙な異常を言葉で表現することができるようになりました。

たとえば「異形成とまではいえないが、何か少し細胞の異常がみられる」場合は、「意
義不明異型扁平上皮細胞(ASC-US)」という言葉であらわされます。ベセスダ分類では、このASC-USからが要精査となります。

欧米ではすでにクラス分類は廃止され、日本でも2013年4月からベセスダ分類に統一されました。

■結果によって次の精密検査に進む

通常は、1~2週間で子宮頸がん検診の検査結果が出ます。たとえば、細胞診がベセスダ分類のASC-USだと、保険診療でHPV検査を受けることができるので、HPVに感染しているかどうかを調べることになります。

その結果がハイリスクHPV陽性と診断された場合は、精密検査へと進み、コルポスコピー検査と組織診を行うことになります。

細胞診がASC-USでもHPV検査の結果が陰性の場合は、その先の精密検査は行いません。ただし、子宮頸がん検診は定期的に受けつづけることが重要なので、1年後にまた検診を受けるようにしましょう。結果がASC-H以上の場合は、ただちにコルポスコピー検査と組織診を行います。

■細胞診の結果によって行われる子宮頸がんの精密検査

【ASC-US:軽度扁平上皮内病変の疑い】

HPV検査陽性→コルポスコピー検査+組織診、もしくは6カ月以内に細胞診の再検査

【ASC-H:高度扁平上皮内病変の疑い】

コルポスコピー検査+組織診

【LSIL:HPV感染、軽度異形成】

コルポスコピー検査+組織診

【HSIL:中等度・高度異形成、上皮内がん】

コルポスコピー検査+組織診

【SCC:浸潤がん、微小浸潤がん】

コルポスコピー検査+組織診

【AGC:腺異型、または腺がんの疑い】

コルポスコピー検査+組織診+頸管および内膜細胞診または組織診

【AIS:上皮内腺がん】

コルポスコピー検査+組織診+頸管および内膜細胞診または組織診

【腺がん】

コルポスコピー検査+組織診+頸管および内膜細胞診または組織診

 

■子宮頸がんと診断されたとき医師への確認事項チェックリスト

・これまで受けた検査とその結果について
・病気はどの程度進行しているのか
・今後の治療方針
・治療方法にほかに選択肢があるのか
・受ける治療で考えられる副作用にはどんなものがあるのか
・治療効果とその可能性はどの程度か
・治療後の生活はどうなるのか
・再発率と生存率について

 

■その他の重要確認事項

・妊娠や出産について

子宮頸がんはⅠA1期までは子宮を残すことは可能ですが、それよりも進行していると、子宮を摘出しなければならないケースがほとんどです。今後妊娠を望んでいる場合には、その希望をかなえるためにどのような方法があるのか、よく確認しておきましょう。

・卵巣を残せるかどうか

卵巣は女性ホルモンを分泌するところなので、卵巣を摘出すると、更年期障害の症状があらわれることがあります。卵巣を摘出した場合のリスクについて、確認しておきましょう。

・性生活はどうなるのか

聞きにくことかもしれませんが、自分にとってもパートナーにとっても大切なことです。性交障害などの後遺症について、よく聞いておきましょう。

 

以上、子宮頸がんの検査についての解説でした。

子宮がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。患者として、家族として必要な知識はこちらのガイドブックにまとめました。
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「がんの研究と、患者さんのサポート」を2008年から続けています。現在まで、3,000名を超えるがん患者さんやご家族をサポートしてきました。詳しいプロフィールはこちら。

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