【レジメン】
Tepotinib=1回500mg 1日1回食後:経口 連日投与 PD(増悪)まで
基本事項
【適応】
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
【奏効率】(国際共同第Ⅱ相試験/VISION試験コホートA)
・奏効率(CR+PR)
42.4%
・無増悪生存期間(中央値)
9.5カ月
・全生存期間(中央値)
19.1カ月
【副作用】(国際共同第Ⅱ相試験/VISION試験コホートA)
・末梢性浮腫:All Grade=53.8%、Grade3以上=7.7%
・悪心:All Grade=28.3%、Grade3以上=0.8%
・下痢:All Grade=20.8%、Grade3以上=0.8%
・血中クレアチニン上昇:All Grade=13.8%、Grade3以上=0.0%
・低アルブミン血症:All Grade=10.8%、Grade3以上=0.8%
・アミラーゼ上昇:All Grade=10.0%、Grade3以上=2.3%
・ALT上昇:All Grade=8.5%、Grade3以上=3.1%
・AST上昇:All Grade=7.7%、Grade3以上=2.3%
・リパーゼ上昇:All Grade=6.9%、Grade3以上=1.5%
・間質性肺疾患:All Grade=3.8%、Grade3以上=1.5%
・QT延長:All Grade=1.5%、Grade3以上=0.0%
レジメンチェックポイント
①副作用に対する休薬・減量および中止基準の確認
<用量レベル>
・通常投与量:500mg、1日1回
・1段階減量:250mg、1日1回
・2段階減量:投与中止
<副作用に対する休薬・減量・中止基準>
・間質性肺疾患:Grade1以上=投与中止
・間質性肺疾患以外:Grade3=Grade2以下に回復するまで休薬、または1段階減量して投与すること。また、21日を超える休薬を要する場合には中止すること。Grade4=Grade2以下に回復するまで休薬すること。また、21日を超える休薬を要する場合には中止すること
②併用薬の確認
P糖蛋白質(P-gp)の阻害作用を有するため、P-gpの基質となる薬剤(ダビガトランエテキシラート、ジゴキシン、フェキソフェナジン等)の血中濃度を増加させて副作用を増強させる可能性がある
③服用タイミングの確認
1日1回食後の内服であることを確認する
副作用対策と服薬指導のポイント
①間質性肺炎
治療開始早期に急性肺障害、間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者には初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱などの有無)を伝え、早期の医療機関への受診について指導する。
②体液貯留
末梢性浮腫や胸水貯留などの体液貯留が高頻度に認められるため、患者には急激な体重増加、呼吸困難等の異常が認められた場合は、速やかに医療機関に連絡するよう指導する。また、定期的な体重測定を実施して、記録を付けておくように指導する