2014年版のガイドラインで示されている、大腸がん対応の分子標的薬の種類です。
■ベバシズマブ(商品名アバスチン)
・薬剤のタイプ
VEGF(血管内皮細胞成長因子)を標的とするモノクローナル抗体
・特徴
VEGFに結合し、その働きを阻害することにより血管新生(がん細胞が新たに血管を作り出して増殖すること)や腫瘍の増殖・転移を抑制する。
・主な副作用
出血、高血圧など
■セツキシマブ(商品名アービタックス)
・薬剤のタイプ
EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とするモノクローナル抗体
・特徴
EGFRに結合し、EGFRからのシグナル伝達を遮断することにより、腫瘍の増殖・転移に関与する多くの細胞機能を抑制する
・主な副作用
皮膚毒性、低マグネシウム血症など
■パニツムマブ(商品名ベクティビックス)
・薬剤のタイプ
EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とする完全ヒト型IgG2モノクローナル抗体
・特徴
EGFRに結合し、EGFRからのシグナル伝達を遮断することにより、腫瘍の増殖・転移に関与する多くの細胞機能を抑制する。抗体によるADCC(抗体依存性細胞障害)活性は期待できないとされている。
・主な副作用
皮膚毒性、低マグネシウム血症など
■レゴラフェニブ(商品名スチバーガ)
・薬剤のタイプ
経口マルチキナーゼ阻害薬
・特徴
腫瘍の血管新生に関わるVEGFR(血管内皮細胞成長因子受容体9、TIE-2、腫瘍の増殖にかかわるc-KIT、RET、B-RAF、間質組織性PDGFR-β、FGFRなど受容体チロシンキナーゼに対する阻害作用をもつ
・主な副作用
手足症候群、高血圧、下痢など
以上、大腸がんの化学療法についての解説でした。