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05.肺がん

脳転移した肺がんの治療法としてのサイバーナイフ

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肺がんは脳に転移をしやすいがんの1つです。

脳に転移したとき、脳に対して行われる治療の中心は放射線治療ですが、通常の定位放射線治療よりも精度が高く、効果が大きいのがサイバーナイフといわれる放射線治療です。今では転移した脳だけでなく、肺へのサイバーナイフも行われています。

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■なぜ肺がんは脳に転移しやすいののか?

がんの転移は血液やリンパ液にがん細胞が入り、それが他の臓器に流れ着いて根を張ることで生じます。肺は常にたくさんの血液が出入りする臓器なので、肺がんになると他の臓器・器官に転移しやすいのです。

脳にも転移しやすく、脳転移を起こす原因として肺がんは52%にまでのぼります。

肺がんが脳転移したばあい、病期はステージ4となり最も進行した状態と評価されます。医療による根治治療は不可能であり、症状や年齢、体調などに応じて化学療法を中心とした治療が行われます。

肺を中心とした頭部以外の治療法としては化学療法、転移した脳に対しては薬の効果がとても薄いため対処的に手術をするか、放射線をするか、という選択になるのが一般的です。

脳にできた腫瘍の数が1つで大きく、触れやすい場所にあるなら手術で切除することもありますが、そうでない場合に第一選択肢になるのが放射線治療です。

脳転移に対する放射線治療には脳全体に放射線を当てる「全脳照射」と、腫瘍に対して多方面から放射線を集中させる「定位放射線治療」があります。以前は全脳照射が脳転移に対する放射線治療の標準的な治療法でしたが、近年は定位放射線治療の技術が発達してきたことで、まずは脳へのダメージが少ない定位放射線治療を行うケースが増えています。

この定位放射線治療の中でも特に精密な技術が進化し、医療の現場で重視されるようになってきているのがサイバーナイフと呼ばれる機器を使った治療法です。

サイバーナイフは「電脳ナイフ」という意味です。ロボットと放射線、コンピューター技術が一体となり、がん腫瘍をピンポイントで攻撃できるのが特徴です。

なかでもコンピューターと連動した病変追尾システムを搭載しているのがこれまでの放射線とは大きく異なる特徴だといえます。患者のわずかな体の動きに合わせて照射角度を調整し、ターゲットとなる腫瘍を追尾することができます。

腫瘍に対して照準をしっかり定め、何本もの細かい放射線を当たるため、正常な組織への影響が少なく、腫瘍だけを狙い撃ちし、高い治療効果を得ることができるのです。

よく比較される定位放射線治療法としてガンマナイフがあります。これはX線ではなくガンマ線を使って、腫瘍の位置を正確に把握しながらピンポイントで照射します。しかし患部のわずかな動きも治療に影響するため、頭がい骨を特殊なピンでがっちり固定しなければなりません。頭部をピンで固定しないサイバーナイフとは身体的・精神的な負担が異なります。
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サイバーナイフは網状のマスクを頭部に装着して、治療台の上で横になっていればよいのです。そのためガンマナイフのように「一回で終わらせなければならない」こともなく、体調や症状に応じて分割して照射することも可能です。

■どのような場合、サイバーナイフを受けられるのか

1回の照射で対応できるのは、原則として腫瘍のサイズが3㎝以下、個数が3~4個までとされています。腫瘍がこれよりも大きい場合や数が多い場合は分割して照射することを検討します。

しかしあくまでサイバーナイフは「ピンポイント性に優れた治療法」です。転移の範囲が広い場合には適した手段とはならず、全脳照射も検討しなければなりません。

■脳以外に使われることも

サイバーナイフは2008年に体躯用の治療法として保険適用されました。ですので、転移していない肺がんをはじめ、脊髄、肝臓、膵臓、前立腺など体の臓器や器官に発生したがんにも使われることがあります。

手術と違い、臓器や器官を切り取ることによるダメージ、後遺症を残さないことがサイバーナイフの大きな特徴です。手術が可能ながんであれば、サイバーナイフを用いることも検討できます。特に肺など動きのある臓器、切れば回復できない臓器に対してはとても有益な治療法だといえます。

以上、サイバーナイフについての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

納得できる判断をするためには「正しい知識」が必要です。

⇒ がんを治すための「たった1つの条件」とは?


 

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