子宮頸がんの診断でステージ(病期)が決定すると治療に入ります。ステージ分類は0期からⅣb期まで11に分類されています。
上皮内がん(0期)という超早期がんには、一般的に「円錐切除術」が行われます。円錐切除術は子宮の一部を切り取る手術のことです。子宮の入口の子宮口を中心にした円形部分を底辺として円錐状に子宮頸部を切除します。「KTPレーザー」などを使う場合と、高周波の「LEEP法」を行う場合があります。
KTPレーザーは組織変性が少なく、病巣がすべて取り切れたかが判断しやすいのが特徴です。LEEP法はループ形の装置が先端についた器具に高周波を流して円錐切除します。出血はほとんどなく、手術の時間は麻酔時間も含めて30分程度で終了します。そのため日帰りで行っている施設もあります。
この円錐切除術は治療の側面もありますが、どちらかというとがんの状態を明らかにする検査です。円錐切除後にがんの深さが3ミリ以内で、広がりが7ミリを超えないIa1期の場合は「単純子宮全摘出術」が提案されます。一方で、がんの深さが3ミリを超えているとわかると、ステージⅠa2期になります。こうなると骨盤リンパ節郭清(切除)を含む「準広汎子宮全摘出術」以上の手術を行うよう提案されます。
Ia2期(がんの深さが3ミリを超えるが5ミリ以内で、広がりが7ミリを超えない)の段階で、もう子宮を残すことができない、とされるのです。
なお、すでに出産の予定のない方には、子宮頸がんの再発リスクを残さないことを優先して、0期、Ⅰa1期で「単純子宮全摘出術」を行うこともあります。これは子宮のみを摘出する方法で、おなかを切って行う腹式と、膣から摘出する方法とがあります。
準広汎子宮全摘出術はIa2期にのみ対応する手術で、単純子宮全摘出術よりも膣壁を少し多く切除します。Ib期以上(子宮頸部にがんがとどまり病巣が7ミリ以上)Ⅱb期(がんが子宮を支える子宮傍組織に広がっているが、骨盤壁には達していない)までが「広汎子宮全摘出術」の対象になります。
広汎子宮全摘出術は子宮のみならず、膣も、卵管、卵巣、子宮周囲の組織、骨盤内のリンパ節も含めて広く切除する大きな手術になります。
以上、子宮がんについての解説でした。