細胞に存在する数十の遺伝子DNAに注目して、その増幅と減弱を測定することで、乳がん治療に関する予後の予測が可能であることがわかりました。「オンコタイプDx(OncotypeDx)」や「マンマプリント(Mammaprint)」が代表的な遺伝子診断の検査法です。
ただし、この検査法は日本で保険適応されていませんので、自費診療として腫瘍の一部を採取して検査しなければなりません。さらに、残念ながら日本人女性の乳がんについて十分なデータはありません。
現在、このような遺伝子診断に基づいて、抗がん剤が必要な患者とそうでない患者を選別して、不必要な抗がん剤の治療を避けるための臨床試験が欧米で進行中です。
この乳がんの性質を遺伝子で調べる方法を望む場合は日本人女性でこの方法が有効であるかどうかエビデンスに乏しいこと、数十万円の自己負担を要することを踏まえた上で、担当医に相談しましょう。
病理検査の結果=腫瘍の悪性度の診断とリンパ節転移の有無から、予後の予測と適切な薬物療法の選択はある程度可能になっていますので、まずはそれをじゅうぶんに把握したうえで、必要性を検討することがポイントだといえます。