甲状腺の場所は?
甲状腺は、のどぼとけの下にある器官です。重さは18g前後で厚さは数ミリのとても小さな器官です。
甲状腺は小さいうえに、筋肉に覆われていますので、ふだんは手で触れて存在を確認することはできませんが、何らかの原因で腫れてきたり、かたくなったりすると、手で触れて状態が分かるようになります。
触ったり、目で見たりして腫れているのがわかるようになると甲状腺の異常に気づきますが、そうでなければ異常に気づくことはまずありません。
甲状腺はホルモン分泌し、貯蔵する
小さい器官ですが、甲状腺の役割はとても重要です。
甲状腺が分泌するホルモンによって新陳代謝が活発になり、胃腸などの消化器をはじめ、さまざまな機能が正しく働きます。
甲状腺から出るホルモンは、タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミンなどの栄養素や、水分などが、体内でうまく利用されるように働きます。細胞・組織の発育にも関わるので特に子どもの成長には重要です。
骨や精神、神経系など、体のすべての器官、組織、細胞が影響を受けているといえます。
甲状腺は、このようにとても重要なホルモンを生産し、貯蔵し、分泌しているのです。
甲状腺ホルモンの重要性
体温が平均体温に保たれているのは人体に備わっている「体の恒常性(ホメオスターシス)」のおかげです。この恒常性を保つ役割を担っている1つが神経系で、もう1つがホルモン系です。
体内が通常の状態と違ってくると、内分泌腺からはホルモンが分泌され、神経系と協力して、体内を元の状態に戻そうとします。
甲状腺は見た目には小さい器官ですが、ホルモン関連の器官の中では最も大きな臓器で、そこから分泌される甲状腺ホルモンによって体を正常に保つことができます。