子宮体がんにおいて抗がん剤などの薬を使う「化学療法」は、3種類の方法に分けられます。1つめが、手術前に行うもの。進行したがんを、手術や放射線療法が行える状態まで小さくするためのものです。
2つめが、再発予防のために手術後に行うもの。リンパ節に転移していたり、再発のリスクが高かったりする場合に行います。
3つめが、再発時に行うもの。再発したがんを小さくすることが目的です。
抗がん剤の投与のしかた
抗がん剤の投与のしかたには、3種類の方法があります。もっとも多く行われるのが「静脈内投与」。静脈内に抗がん剤を点滴し、全身に薬を行きわたらせる方法です。
動脈内に注射する「動脈内投与」は、特定の部位に高い濃度の薬を投与するための方法です。
複数の薬を組み合わせて行う
子宮体がんの化学療法では、数種類の抗がん剤を組み合わせて使うことがほとんどです。これを「多剤併用療法」と言い、臨床試験などによって、効果の高い組み合わせもわかっています。
化学療法では、投薬後、3~4週間おいてから次の投薬を行います。休薬期間が必要なのは、抗がん剤で傷ついた正常な細胞が回復するのを待つためです。投与回数は病状や化学療法の目的によって異なります。
子宮体がんの多剤併用療法
多剤併用療法は、使われる薬剤の名前(または商品名)の頭文字を組み合わせた名称で呼ばれている。
・TC(TJ):パクリタキセル、カルボプラチン
・TP:パクリタキセル、シスプラチン
・DP:ドセタキセル、シスプラチン
・IEP:イホスファミド、塩酸エピルビシン、シスプラチン
・AP:ドキソルビシン、シスプラチン
以上、子宮体がんの化学療法についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。