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20.悪性リンパ腫

悪性リンパ腫に使われる薬「R-CHOP療法」と「ABVD療法+放射線」とは

シクロホスファミド


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悪性リンパ腫の治療法とは:R-CHOP療法とABVD療法の基本

悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する血液がんの一種です。大きく分けて「非ホジキンリンパ腫」と「ホジキンリンパ腫」の2つのタイプがあり、それぞれ治療方法が異なります。

非ホジキンリンパ腫はさらにB細胞リンパ腫とNK/T細胞リンパ腫に分類され、それぞれに適した治療プログラムが確立されています。一方、ホジキンリンパ腫には標準的な治療法があり、多くの患者さんで良好な治療成績が得られています。

この記事では、悪性リンパ腫の治療で使われる主な薬物療法について、それぞれの適応や特徴、使用される状況を解説します。治療法を理解することで、医師からの説明をより深く理解し、治療方針について考える助けになります。

非ホジキンリンパ腫の治療:B細胞リンパ腫に対するR-CHOP療法

R-CHOP療法とは何か

B細胞リンパ腫の進行期における標準治療が「R-CHOP療法」です。これは5つの薬剤を組み合わせた治療法で、以下の薬剤で構成されています。

略号 薬剤名 製品名 薬剤の分類
R リツキシマブ リツキサン 分子標的薬
C シクロホスファミド エンドキサン アルキル化剤
H ドキソルビシン アドリアシン 抗がん性抗生物質
O ビンクリスチン オンコビン 植物アルカロイド
P プレドニゾロン プレドニンなど ステロイド薬

R-CHOP療法は、もともと使われていた「CHOP療法」にリツキシマブを加えることで治療効果が向上したことから、現在では初回治療の標準として位置づけられています。

R-CHOP療法の投与方法と適応

R-CHOP療法では、通常リツキシマブを他の抗がん剤より先に投与します。具体的には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンの3剤を投与する2日前にリツキシマブが投与されるスケジュールが一般的です。

この治療法は、B細胞リンパ腫の中でも「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」という最も頻度の高いタイプに対して特に効果が認められています。3週間を1サイクルとして、通常6~8サイクル実施されます。

リツキシマブは、B細胞の表面にあるCD20という目印を認識して結合し、がん細胞を攻撃する分子標的薬です。従来のCHOP療法に加えることで、完全寛解率や全生存率が改善することが臨床試験で示されています。

R-CHOP療法が使えない場合や2次治療

R-CHOP療法で十分な効果が得られなかった場合や、治療後に再発した場合には、2次治療が検討されます。2次治療として選択される主な治療法には以下のものがあります。

治療法 使用する薬剤 特徴
フルダラビン単独療法 フルダラビン 代謝拮抗薬による治療
フルダラビン+リツキシマブ療法 フルダラビン、リツキシマブ 代謝拮抗薬と分子標的薬の併用
イブリツモマブ・チウキセタン療法 イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン) 放射性同位元素を結合させた分子標的薬
ベンダムスチン単独療法 ベンダムスチン(トレアキシン) アルキル化剤による治療
BR療法 ベンダムスチン、リツキシマブ アルキル化剤と分子標的薬の併用

これらの中でも、ベンダムスチンとリツキシマブを併用する「BR療法」は、R-CHOP療法と比較して副作用が少なく、高齢の患者さんにも使いやすいという特徴があります。今後は初回治療としても選択されるケースが増えると考えられています。


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非ホジキンリンパ腫の治療:NK/T細胞リンパ腫に対する治療法

NK/T細胞リンパ腫の特徴

NK/T細胞リンパ腫は、日本を含む東アジアで比較的多く見られるタイプのリンパ腫です。特に「鼻腔型NK/T細胞リンパ腫」という、鼻の中にできるタイプが日本人には多い傾向があります。

このタイプのリンパ腫には、B細胞リンパ腫で効果のある薬剤が効きにくいという特徴があります。そのため、治療戦略もB細胞リンパ腫とは異なるアプローチが必要になります。

放射線療法と化学療法の組み合わせ

NK/T細胞リンパ腫、特に限局期(病変が一部の領域にとどまっている状態)の場合、放射線療法が治療の中心となります。しかし、放射線療法だけでは再発のリスクが高いことが知られています。

そのため、現在の標準的な治療では、放射線照射の後に化学療法を数コース行う「救援化学療法(サルベージ療法)」が推奨されています。この組み合わせ治療により、再発率を下げることが期待できます。

DeVIC療法の役割

NK/T細胞リンパ腫に対してよく使われる化学療法が「DeVIC療法」です。この治療法は以下の4つの薬剤を組み合わせたものです。

薬剤名 製品名 分類
デキサメタゾン デキサメサゾンなど ステロイド薬
エトポシド ベプシドなど 植物アルカロイド
イホスファミド イホマイド アルキル化剤
カルボプラチン パラプラチンなど プラチナ製剤

DeVIC療法は、放射線療法で効果が得られた後に実施することで、微小な残存病変や体内に散らばったがん細胞を攻撃し、再発を予防する役割を担います。

また、進行期のNK/T細胞リンパ腫に対しては、L-アスパラギナーゼを含む化学療法が効果的であることが報告されており、治療選択肢として検討されます。

ホジキンリンパ腫の治療:ABVD療法と放射線の組み合わせ

ABVD療法の構成と特徴

ホジキンリンパ腫の標準治療は「ABVD療法」と呼ばれる化学療法です。ABVD療法は4つの薬剤を組み合わせた治療法で、以下の構成となっています。

略号 薬剤名 製品名 分類
A ドキソルビシン アドリアシン 抗がん性抗生物質
B ブレオマイシン ブレオ 抗がん性抗生物質
V ビンブラスチン エクザール 植物アルカロイド
D ダカルバジン ダカルバジン アルキル化剤

ABVD療法は、ホジキンリンパ腫に対して高い効果を示す治療法として、長年にわたり標準治療の地位を維持しています。4種類の異なる作用機序を持つ薬剤を組み合わせることで、相乗効果が得られます。

病期に応じた治療コース数

ABVD療法の実施回数は、病気の進行度(病期)と腫瘤の大きさによって決定されます。具体的な目安は以下の通りです。

病期 腫瘤の状態 推奨コース数
Ⅰ期・Ⅱ期 大きな腫瘤がない 4~6コース
Ⅰ期・Ⅱ期 大きな腫瘤がある 6~8コース
Ⅲ期・Ⅳ期 進行した状態 6~8コース

Ⅰ期とⅡ期は限局期と呼ばれ、病変が比較的限られた範囲にとどまっている状態です。大きな腫瘤(通常10cm以上)がない場合は、比較的少ないコース数で治療効果が期待できます。

一方、Ⅲ期やⅣ期は進行期と呼ばれ、横隔膜の両側にリンパ節腫脹がある、あるいは臓器に病変が広がっている状態です。この場合は、より多くのコース数が必要になります。

放射線療法との組み合わせによる効果

ABVD療法に放射線療法を組み合わせることで、治療効果をさらに高めることができます。特に限局期のホジキンリンパ腫では、化学療法の後に病変部位に対して放射線を照射する「複合療法」が推奨されています。

放射線療法を追加することで、化学療法で縮小した腫瘍に対してさらに攻撃を加え、残存するがん細胞を根絶する可能性を高めます。この治療戦略により、限局期ホジキンリンパ腫の多くで長期生存が期待できるようになっています。

ただし、放射線照射による晩期合併症(治療から数年後に現れる副作用)のリスクも考慮する必要があります。特に若年の患者さんでは、二次がんや心臓への影響などを考慮し、放射線の照射範囲や線量を慎重に決定します。


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悪性リンパ腫治療で使われる薬剤の全体像

抗がん剤の種類と作用機序

悪性リンパ腫の治療では、さまざまな種類の抗がん剤が使われます。それぞれの薬剤は異なる作用機序でがん細胞を攻撃します。

アルキル化剤は、DNAに直接結合してがん細胞の増殖を阻害します。シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、ベンダムスチンなどがこのカテゴリーに含まれます。

抗がん性抗生物質は、DNAやRNAの合成を妨げることでがん細胞の増殖を抑えます。ドキソルビシンやブレオマイシンがこの分類に属し、多くの治療レジメンで中心的な役割を果たしています。

植物アルカロイドは、細胞分裂に必要な微小管の働きを阻害します。ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシドなどがあり、細胞分裂を停止させることでがん細胞を死滅させます。

代謝拮抗薬は、DNAやRNAの合成に必要な物質に似た構造を持ち、がん細胞の代謝を妨害します。フルダラビンは、特に再発・難治性のリンパ腫に対して使用されます。

プラチナ製剤は、DNAに結合して複製を妨げる作用があります。カルボプラチンは、NK/T細胞リンパ腫などの治療で重要な役割を果たします。

分子標的薬の役割

分子標的薬は、がん細胞の表面にある特定の分子を標的として攻撃する薬剤です。従来の抗がん剤と比べて、正常細胞への影響が少ないという特徴があります。

リツキシマブは、B細胞の表面にあるCD20というタンパク質を標的とする抗体薬です。B細胞リンパ腫の治療において、従来の化学療法の効果を大きく向上させることが証明されています。

イブリツモマブ・チウキセタンは、リツキシマブと同じくCD20を標的としますが、放射性同位元素が結合している点が特徴です。がん細胞に結合した後、放射線でがん細胞を攻撃します。

モガムリズマブは、CCR4という分子を標的とする抗体薬で、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)や末梢性T細胞リンパ腫などに使用されます。

ステロイド薬の補助的役割

ステロイド薬は、多くの化学療法レジメンに組み込まれています。プレドニゾロンやデキサメタゾンなどが使用され、複数の役割を果たします。

ステロイド薬自体にもリンパ腫細胞を死滅させる効果があります。また、化学療法による吐き気や嘔吐を軽減する制吐作用や、炎症を抑える作用も持っています。

R-CHOP療法やDeVIC療法など、多くの治療プロトコルでステロイド薬が重要な構成要素となっています。

治療選択における考慮事項

病型と病期による治療方針の違い

悪性リンパ腫の治療は、病型(ホジキンリンパ腫か非ホジキンリンパ腫か、さらに細かい分類)と病期(どれだけ進行しているか)によって大きく異なります。

非ホジキンリンパ腫の中でも、B細胞由来かT/NK細胞由来かで使用する薬剤が変わります。B細胞リンパ腫ではリツキシマブを含む治療が標準的ですが、T/NK細胞リンパ腫ではリツキシマブは効果がありません。

病期については、限局期(Ⅰ期・Ⅱ期)と進行期(Ⅲ期・Ⅳ期)で治療の強度や期間が調整されます。限局期では化学療法と放射線療法の組み合わせが効果的なことが多く、進行期では化学療法を中心とした全身治療が選択されます。

患者さんの状態と治療強度

年齢、全身状態、臓器機能なども治療選択に影響します。高齢の患者さんや心臓・腎臓などに問題がある患者さんでは、標準的な治療レジメンが使えない場合があります。

このような場合、薬剤の量を減らしたり、副作用が比較的少ない治療法を選択したりする調整が行われます。例えば、R-CHOP療法が体力的に厳しい高齢者には、BR療法が選択されることがあります。

また、治療の目的(根治を目指すか、症状の緩和を優先するか)によっても、選択される治療法の強度は変わります。

再発・難治例に対する治療

初回治療で完全寛解が得られなかった場合や、治療後に再発した場合には、より強力な化学療法や自家造血幹細胞移植が検討されます。

2次治療の化学療法で効果が得られた場合、体力があれば大量化学療法と自家造血幹細胞移植を行うことで、長期生存を目指すことができます。

近年では、CAR-T細胞療法などの新しい免疫療法も再発・難治例に対する選択肢として登場しており、治療の可能性は広がっています。

治療を受ける上で知っておきたいこと

治療スケジュールの理解

化学療法は通常、一定の間隔を空けて繰り返し実施されます。この間隔は「コース」や「サイクル」と呼ばれ、薬剤の種類や治療の目的によって期間が決まります。

R-CHOP療法やABVD療法では、3週間(21日)を1サイクルとすることが一般的です。薬剤投与後、一定期間を空けることで、正常な細胞が回復する時間を確保します。

治療期間全体では、数か月に及ぶことが多いため、仕事や日常生活との調整が必要になります。外来で治療を受けられるケースも増えていますが、初回や副作用が強い場合は入院が必要なこともあります。

副作用とその対策

化学療法では、さまざまな副作用が起こる可能性があります。主な副作用には、吐き気・嘔吐、脱毛、骨髄抑制(白血球減少、貧血、血小板減少)、口内炎などがあります。

骨髄抑制により白血球が減少すると、感染症のリスクが高まります。発熱や体調不良があった場合は、速やかに医療機関に連絡することが重要です。G-CSF製剤という白血球を増やす薬剤を予防的に使用することもあります。

吐き気に対しては制吐剤が処方されます。治療前から予防的に服用することで、副作用を軽減できます。

脱毛は多くの患者さんが経験する副作用ですが、治療終了後には再び髪が生えてきます。治療中はウィッグや帽子を利用することで対応できます。

治療効果の評価

化学療法の効果は、定期的な画像検査や血液検査で評価されます。CTやPET-CTなどの画像検査で、リンパ節の大きさや病変の広がりを確認します。

治療効果は、完全奏効(病変が完全に消失)、部分奏効(病変が50%以上縮小)、病勢安定(変化なし)、病勢進行(悪化)などに分類されます。

完全奏効が得られた場合でも、一定期間の経過観察が必要です。再発の有無を確認するため、定期的な検査を継続します。

参考文献・出典情報

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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