がん治療専門のアドバイザー、本村です。
当記事では「濾胞性リンパ腫」の基本的な治療法について解説しています。
数あるリンパ腫のタイプのなかで、濾胞性(ろほうせい)リンパ腫は二番目に多いタイプです。濾胞性リンパ腫は他のリンパ腫に比べて進行が遅いのが特徴だといえます。
治療の中心は薬をつかった化学療法で、R-CHOP療法かR-CVP療法(R-CHOPからアドリアシンを除いた組み合わせ)が行われます。化学療法を行うと限局期ならほとんどがんが目視できなくなる「寛解」まで期待することができます。
進行が遅く、抗がん剤がよく効くため初回治療後の3年生存率は95%と他のタイプのリンパ腫に比べて高いのが特徴です。しかし再発のリスクは常にあるため注意深く経過観察することが大切です。
濾胞性リンパ腫の治療後
寛解になっても長期的には再発する可能性が高いのが現実です。再発時に何らかの症状がでれば再度化学療法が行われますが、症状がない場合は無理に強い治療をせずにしばらく経過をみるのが一般的です。
また、リツキサンだけを単独で使い長く進行を防ぐという戦略が用いられることもあります。
経過をみている間は診察・血液検査を3か月に一度受け、画像検査を半年~一年の間隔で受けます。何らかのがんによる症状がでてくれば、抗がん剤をつかった化学療法が検討されます。
初期治療後に寛解に至った場合、平均では4~5年ほどは治療をせずに経過をみることができるというデータがあるため、治療は長期的な視野で行われます。
また、濾胞性リンパ腫はびまん性大細胞方B細胞リンパ腫に変化することがあります。その場合にはびまん性大細胞方B細胞リンパ腫に応じた治療が行われます。