転移とは、ある場所にできたがんが、ほかの場所にも飛び火していくことをいいます。がんが拡がると、周りの隣接した臓器や組織に浸潤します。
また、血液やリンパに乗って、がんのできた場所から遠くの臓器や組織までたどりつき、そこでがんができることもあります。これを遠隔転移といいます。
肺がんが転移しやすい場所
肺がんと診断されたとき、転移についても治療の前後、治療終了後に検査が必要です。
肺がんでは骨や脳、肝臓、副腎、リンパ節への転移がよくみられます。部位別に、つぎのような検査をおこないます。
1.骨転移
骨シンチグラフィやPETなどのアイソトープ検査をおこないます。
2.脳転移
MRI検査やCTで脳の転移を確認します。
3.肝転移
腹部CTや腹部超音波検査、PETをおこないます。
4.副腎転移
腹部CTやPETをおこないます。
5.リンパ節転移
CTを用いて確認します。造影剤を点滴しながらCT(造影CT)を撮ると、血管が白くみえます。肺がんの場合は、リンパ節転移ができたとき、リンパ節の腫大と血管が区別がつきにくいので、血管を造影することでリンパ節がみえやすくなります。