このステージ分類は、肝内胆管がんのうち「腫瘤形成型」およびその「優越型」というタイプにのみ適用となるものです。「胆管浸潤型」、「胆管内発育型」といわれるタイプには適用されません。
・1期
単発で直径は2センチ以下の腫瘍である。血管侵襲・漿膜浸潤はない。
・2期
以下のいずれかを満たしている。
①単発で直径は2センチ以下の腫瘍であるが、血管侵襲・漿膜浸潤がある。
②単発で直径は2センチを超える。血管侵襲・漿膜浸潤はない。
③多発性であるが最大腫瘍が直径2センチ以下である。血管侵襲・漿膜浸潤はない。
・3期
以下のいずれかを満たしている。
①単発で直径は2センチを超える腫瘍である。血管侵襲・漿膜浸潤がある。
②多発性であるが最大腫瘍は直径2センチ以下である。血管侵襲・漿膜浸潤がある。
③多発性で最大腫瘍が直径2センチを超える。血管侵襲・漿膜浸潤はない。
・4A期
発性で最大腫瘍が直径2センチを超える。血管侵襲・漿膜浸潤がある。
・4B期
リンパ節転移がある、または遠隔転移している。
胆管がんの症状
胆管がんは早期がんでは無症状のことが多く、早期発見が困難ながんです。しかし、がんが大きくなるにしたがって、胆汁の流れが妨げられ黄痘が現れるようになります。
具体的には皮膚や日が黄色になったり、尿の色が紅茶色になります。
また、便の色が白くなったり、全身にかゆみがあらわれたりします。
多くの患者が、この黄痘で病院を受診し診断されます。
その他の症状としては、右上腹部痛や、発熱がみられることもありますが胆道がんに特有の症状ではありません。胆のうがんでは無症状で、検診の超音波検査で、発見されることもありますが、合併する胆石の痛みを契機にして診断されることもあります。
肝臓内胆管がんの治療の進め方
肝内胆管がんでも、肝炎や肝硬変を併発していて、肝機能障害がある場合があります。
・手術
胆管がんの場合、手術方法はがんの部位により異なります。
肝臓の中の胆管にがんが及ぶ場合には胆管とともに肝臓の一部も切除します。
肝臓の外にある胆管だけにがんがあり、すい臓にがんが及んでおらず、リンパ節にも転移がない場合には、胆管だけを取る手術になります。
すい臓の中にある胆管にがんができた場合には、すい臓や胃、十二指腸などを一緒に摘出することになります。
・化学療法
抗がん剤を使ってがん細胞の増殖をくい止めます。点滴を使う全身化学療法のほか、動注療法や、胆管に薬を流しこむ治療法もあります。
・放射線療法
放射線を放射してがん増殖を防ぐ治療です。化学療法と併用することで、補助的な効果があると考えられています。
胆管がんと胆のうがんの5年生存率
手術でがんが取りきれていると判定された場合の5年生存率は、全国集計では胆管がんで26%、胆のうがんで42%です。
あるがんセンターでは最近10年間に切除した70例の胆道がんの5年生存率は胆管がんで33%、胆のうがんで52%です。
胆管がんや胆のうがんと診断されたら、手術が可能かどうか専門医に相談するようにしましょう。