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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
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食道がんの診断に用いられる検査方法
食べものを飲み込むときに「胸がしみる感じ」や「のどがつまる感じ」などの違和感があるときは、食道や胃の病気が疑われるため、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
食道がんが疑われる場合、複数の検査を組み合わせて総合的に診断が進められます。ここでは、食道がんの診断において実施される主要な検査項目について解説します。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)とヨード液による観察
内視鏡検査は食道の内腔を直接観察できるため、食道がんの診断において最も重要な検査の一つです。この検査により、がんの位置や大きさ、形状、広がりの程度、色調の変化などを詳しく観察でき、がんの深さについても推測することができます。
色素内視鏡検査という方法では、正常な食道粘膜とがん組織で染まり方が異なる色素を食道内に散布して観察を行います。
最も広く使用されている色素はルゴール(ヨード)液です。正常な食道粘膜はルゴール液に触れると黒褐色に変色しますが、がん組織は変色しません。このコントラストを利用することで、通常の内視鏡検査では判別しにくい早期のがんも発見しやすくなります。
さらに超音波内視鏡検査では、内視鏡の先端に装着された超音波装置を用いて、粘膜より深い層の状態や食道壁の構造を観察できます。これにより、がんの深達度(どれくらい深く進展しているか)、リンパ節転移の有無、周囲臓器への浸潤の有無など、より詳細な情報を得ることができます。
食道造影検査の役割
バリウム(造影剤)を飲み、食道を通過する様子をX線撮影する検査です。食道粘膜の状態や食道壁の変形を評価できます。内視鏡検査が食道内腔の詳細な観察に優れているのに対し、食道造影検査は他の臓器との位置関係や全体像の把握、病変の大きさや位置、狭窄の程度などを調べるのに適しています。
CT検査による全身評価
CT検査は、様々な角度からX線を照射し、コンピュータで解析することで体内の構造を輪切りの画像として観察できる検査です。現在の機器では、あらゆる方向の断面図を作成できるようになっています。
食道は胸部において心臓、気管、肺、大動脈、脊椎など多くの臓器に囲まれています。CT検査では、食道がん自体の大きさや広がりに加え、周囲臓器への浸潤の有無、肺や肝臓などへの遠隔転移の有無、リンパ節転移の有無を評価できるため、病期診断において重要な役割を果たします。
治療後の経過観察においても、治療効果の判定や再発の有無を調べるために活用されています。造影剤を併用すると病変がより明瞭に描出されるため、食道がんの検査では造影剤を使用することが多いです。ただし、造影剤アレルギーがある方は事前に医師に申し出る必要があります。
MRI検査の特徴
MRI検査は磁気を利用して体内の構造を画像化する検査です。放射線被曝の心配がなく、診断能力もCTとほぼ同等と考えられています。検査時間は20~30分程度で、筒状の機器の中で行われます。
閉所が苦手な方や長時間じっとしているのが困難な方には、オープンタイプのMRI装置もあります。体内にペースメーカーなどの金属がある方は検査を受けられない場合があるため、事前に申し出る必要があります。
FDG-PET検査による全身スクリーニング
PET(ポジトロン断層撮影)検査は、放射性同位元素で標識したブドウ糖類似物質(FDG)を投与し、体内での分布を画像化する診断法です。
がん細胞は正常細胞に比べてエネルギー消費量が多く、エネルギー源であるブドウ糖を多く取り込みます。FDGも同様にがん組織に集積するため、その分布を画像化することでがんの存在を検出できます。
CTやMRI検査ががんを「形態」として捉えるのに対し、PET検査はがんの代謝活性を評価する機能的な検査であることが特徴です。1回の検査で全身を評価できる利点があります。
ただし、早期がんや小さなリンパ節転移の検出が難しいこと、炎症部位にもFDGが集積するためがんと炎症の区別がつきにくいこと、検査可能な医療機関が限られることなどの課題もあります。
食道がんに対するPET検査は2006年4月に保険適用となっており、リンパ節転移や肺・骨・肝臓への転移を含めた全身の転移を効率的に検出する検査として活用されています。
近年ではPETとCTを組み合わせたPET-CT検査も普及しており、FDGの集積部位をより正確に特定できるため、診断精度のさらなる向上が期待されています。
食道がんの腫瘍マーカーの種類と特徴
腫瘍マーカーとは、血液中に存在するがん細胞が産生する特有の物質(がん特異的なタンパク質など)のことです。がんの目印(マーカー)となることから、このように呼ばれており、血液検査によって濃度を測定します。
食道がんでは、がんの組織型によって有用な腫瘍マーカーが異なります。ここでは主要な腫瘍マーカーについて解説します。
SCC(扁平上皮がん関連抗原)の特徴と数値の見方
SCCは扁平上皮がん関連抗原と呼ばれ、扁平上皮がん細胞から産生されるタンパク質です。食道がんの約90%は扁平上皮がんであるため、SCCは食道がんにおいて最も重要な腫瘍マーカーの一つとされています。
SCCの正常値は一般的に1.5 ng/mL以下とされています。進行した食道扁平上皮がんの患者さんでは、約30~50%の方でSCC値の上昇が認められます。ただし、早期がんではSCC値が正常範囲内にとどまることが多いため、早期発見のスクリーニング検査としての有用性は限定的です。
SCCは食道がん以外にも、肺扁平上皮がん、子宮頸がん、頭頸部がん、皮膚がんなどでも上昇することがあります。また、良性疾患である皮膚疾患(乾癬、湿疹など)や肝疾患、腎不全などでも軽度上昇することがあるため、数値の解釈には注意が必要です。
CEA(がん胎児性抗原)の臨床的意義
CEA(carcinoembryonic antigen)は、元々胎児の消化管で産生されるタンパク質ですが、がん細胞でも産生されることが知られています。食道がんでは、特に腺がんの患者さんで上昇することがあります。
CEAの正常値は5.0 ng/mL以下とされています。食道腺がんでは約40~60%の患者さんでCEA値の上昇が見られますが、扁平上皮がんでも進行例では上昇することがあります。
CEAは食道がん以外にも、大腸がん、胃がん、膵臓がん、肺がん、乳がんなど多くのがんで上昇します。また、喫煙者、慢性肝疾患、炎症性腸疾患、慢性膵炎などの良性疾患でも軽度上昇することがあります。そのため、CEA値の上昇のみでがんと診断することはできず、他の検査と組み合わせた総合的な判断が必要です。
CYFRA(シフラ:サイトケラチン19フラグメント)の役割
CYFRA(cytokeratin 19 fragment)は、サイトケラチン19フラグメントとも呼ばれ、上皮細胞の構造タンパク質であるサイトケラチンが分解されてできる断片です。上皮性のがん細胞が増殖・壊死する際に血液中に放出されます。
CYFRAの正常値は3.5 ng/mL以下とされています。食道扁平上皮がんでは約40~50%の患者さんでCYFRA値の上昇が認められ、特に進行がんや転移のある患者さんで高値を示す傾向があります。
CYFRAは肺がん(特に非小細胞肺がん)、膀胱がん、頭頸部がんなどでも上昇します。良性疾患では、間質性肺炎、肺線維症、腎不全などで軽度上昇することがあります。
p53抗体の測定とその意義
p53は細胞の増殖を制御する重要なタンパク質(がん抑制遺伝子の産物)で、正常細胞では細胞周期や細胞死を調節する役割を担っています。がん細胞ではp53遺伝子に変異が生じることが多く、変異型p53タンパク質が蓄積します。この異常なp53タンパク質に対する抗体(p53抗体)が血液中で検出されることがあります。
食道扁平上皮がんでは、約30~40%の患者さんでp53抗体が陽性となります。p53抗体は他の腫瘍マーカーと比較して、比較的早期のがんでも陽性となる可能性があるという特徴があります。
ただし、p53抗体の測定は全ての医療機関で実施されているわけではなく、研究段階の側面もあります。現在は主に研究目的や一部の専門施設で測定されています。
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食道がん腫瘍マーカーの数値の見方と活用法
| 腫瘍マーカー | 正常値 | 主な対象 | 陽性率(進行がん) |
|---|---|---|---|
| SCC | 1.5 ng/mL以下 | 扁平上皮がん | 30~50% |
| CEA | 5.0 ng/mL以下 | 腺がん(扁平上皮がんでも上昇) | 40~60% |
| CYFRA | 3.5 ng/mL以下 | 扁平上皮がん | 40~50% |
| p53抗体 | 陰性 | 扁平上皮がん | 30~40% |
腫瘍マーカーの限界と注意点
腫瘍マーカーには幾つかの重要な限界があります。まず、がんがあっても必ずしも腫瘍マーカーが上昇するわけではありません。特に早期がんではがん細胞の数が少ないため、腫瘍マーカーが正常範囲内にとどまることが多く、早期発見のためのスクリーニング検査としての有用性は限られています。
また、がん以外の良性疾患でも腫瘍マーカーが上昇することがあるため、腫瘍マーカーの上昇のみでがんと診断することはできません。内視鏡検査やCT検査など、他の診断法と組み合わせて補助的に使用されるのが一般的です。
治療効果判定と再発モニタリングでの活用
現在、腫瘍マーカーは主に治療後の経過観察において重要な役割を果たしています。治療前に腫瘍マーカーが上昇していた患者さんでは、治療後にその値が正常範囲まで低下することが期待されます。
手術や化学療法、放射線治療などの治療を行った後、腫瘍マーカー値が低下すれば治療効果があったと判断できます。逆に、治療後も腫瘍マーカーが高値のまま推移したり、一旦低下した後に再び上昇したりする場合は、治療効果が不十分であったり、再発が疑われたりします。
このように腫瘍マーカーは、治療効果の評価や再発の早期発見において有用な指標となります。定期的な血液検査で腫瘍マーカーを測定することで、画像検査で発見される前に再発の兆候を捉えられる可能性があります。
複数の腫瘍マーカーを組み合わせる意義
食道がんでは、単一の腫瘍マーカーだけでなく、複数の腫瘍マーカーを組み合わせて測定することで、診断精度や経過観察の有用性が向上する可能性があります。
例えば、扁平上皮がんの患者さんでは、SCCとCYFRAを同時に測定することで、どちらか一方だけを測定する場合よりも、より多くの患者さんで異常値を検出できることが報告されています。患者さんによって上昇する腫瘍マーカーが異なるため、複数を組み合わせることで感度を高めることができます。
食道がん診断における総合的なアプローチ
食道がんの診断は、腫瘍マーカーだけに頼るのではなく、内視鏡検査、CT検査、MRI検査、PET検査などの画像診断と組み合わせて総合的に行われます。
腫瘍マーカーは診断の補助手段として位置づけられており、特に治療後の経過観察において重要な役割を果たします。治療前に腫瘍マーカーが上昇していた患者さんでは、定期的な測定によって治療効果を評価し、再発の早期発見につなげることができます。
医療機関では、患者さんの状態や病期に応じて、最も適切な検査の組み合わせが選択されます。腫瘍マーカーの数値の変化を正しく理解し、よく相談しながら治療方針を決定していくことが大切です。
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