06.食道がん

【2025年更新】食道がん再発時の光線力学的療法(PDT)とは?治療効果・後遺症・費用を解説


【サイト内 特設ページ】

がんを治すためのたった1つの条件

こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。

がんを治すために必要なことは、たった1つです。

詳しくはこちらのページでお伝えさせてください。

がんを治すための「たった1つの条件」とは?


食道がんにおける光線力学的療法(PDT)の位置づけ

光線力学的療法(Photodynamic Therapy、以下PDT)は、食道がんの治療において特定の状況で用いられる治療法です。

この治療法は、がん細胞に集積する特殊な薬剤と光を組み合わせることで、がん組織を選択的に破壊する技術です。

食道がんで遠隔転移が認められない場合、初期治療として選択されるのは「食道切除手術」または「化学放射線療法(抗がん剤と放射線の併用治療)」のいずれかとなります。PDTは主に化学放射線療法を実施した後、がんが残存した場合や再発した場合の治療手段として位置づけられています。

食道切除手術を選択した場合は食道の広範囲を切除するため、食道そのものへの再発はほとんど起こりません。しかし、食道切除手術は10時間を超えることもある大規模な手術であり、患者さんへの身体的負担が大きいという課題があります。

そのため、近年では早期の食道がんに対して化学放射線療法を選択するケースが増えています。化学放射線療法は手術と同等の効果が期待できる一方で、食道を温存できることが最大の利点です。ただし、抗がん剤の副作用や放射線による後遺症は避けられません。

化学放射線療法後の再発リスクとPDTの必要性

化学放射線療法では食道を切除しないため、切除組織を詳細に検査することができません。治療前の画像診断では一か所と判断されていた腫瘍が、実際には複数存在していたというケースもあります。

このような背景から、化学放射線療法には一定の再発リスクが存在します。再発率は約30%程度と報告されています。

従来、化学放射線療法後に再発が確認された場合は「サルベージ(救済)手術」と呼ばれる手術を行う必要がありました。しかし、初期治療で実施した放射線や抗がん剤により食道組織にダメージが蓄積しているため、サルベージ手術は通常の食道切除手術よりも難易度が高く、患者さんへの負担も大きくなります。

食道の温存を希望して化学放射線療法を選んだにもかかわらず、再発後にさらに困難な手術を受けなければならないという状況は、患者さんにとって心身ともに大きな負担となります。このような背景から、化学放射線療法後の再発に対する新たな治療選択肢として、光線力学的療法が注目されているのです。


【サイト内 特設ページ】

がんを治すためのたった1つの条件

こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。

がんを治すために必要なことは、たった1つです。

詳しくはこちらのページでお伝えさせてください。

がんを治すための「たった1つの条件」とは?


PDTの治療原理とレザフィリンの特性

PDTで使用される薬剤は「光感受性物質」と呼ばれ、がん細胞に選択的に集積する特性を持っています。正常細胞にはほとんど反応せず、がん細胞だけに蓄積するため、特定の波長の光を照射することでがん組織のみを破壊することが可能です。

現在の標準的な治療で使用されている薬剤は「レザフィリン(一般名:タラポルフィンナトリウム)」です。この薬剤は2015年に保険適応となった比較的新しい薬剤であり、従来使用されていた薬剤と比較して副作用が軽減されています。

レザフィリンは静脈内に注射されると体内を循環し、がん細胞に選択的に取り込まれます。注射から4~6時間後には腫瘍部位に十分な濃度が達するため、このタイミングで特殊なレーザー光を照射します。光を受けたレザフィリンは活性酸素を発生させ、がん細胞を破壊する仕組みです。

PDTが適応となる再発のケースと適応外のケース

化学放射線療法後の再発にもいくつかのパターンがあり、PDTが適応となるかどうかは再発の状況によって異なります。

再発のパターン PDTの適応 推奨される治療法
食道局所のみへの再発 適応あり PDT、または内視鏡的切除
食道と周辺リンパ節への再発 適応なし サルベージ手術または化学療法
食道と遠隔リンパ節・他臓器への再発 適応なし 化学療法のみ

食道局所のみへの再発の場合

再発部位が食道局所に限定されている場合、PDTが治療の選択肢となります。再発したがんが食道の粘膜にとどまっている場合は内視鏡的切除も可能ですが、粘膜下層にまで浸潤している場合は内視鏡では対処できません。

PDTは粘膜下層から筋層の浅い部分までの腫瘍に対して有効です。この範囲の再発であればPDTによって高い確率で腫瘍を消失させることができます。ただし、筋層の深部にまで浸潤している場合はPDTでは対応できず、サルベージ手術または化学療法が選択されます。

リンパ節転移や遠隔転移を伴う再発の場合

食道の再発に加えて周辺リンパ節への転移が認められる場合、PDTは適応外となります。この場合はサルベージ手術または化学療法が選択されます。

さらに、遠隔リンパ節や他臓器への転移が確認された場合は、手術も適応外となり、化学療法のみが治療選択肢となります。


【サイト内 特設ページ】

がんを治すためのたった1つの条件

こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。

がんを治すために必要なことは、たった1つです。

詳しくはこちらのページでお伝えさせてください。

がんを治すための「たった1つの条件」とは?


PDTの治療効果と成績

レザフィリンとPDレーザーを使用した臨床試験では、がんが完全に消失する完全奏効率が88%を超えるという高い治療効果が報告されています。これは化学放射線療法後の局所再発に対する治療法としては良好な成績といえます。

PDTの利点は、食道を切除することなく腫瘍を治療できる点です。また、正常組織へのダメージが少ないため、治療後の食道機能の温存が期待できます。ただし、治療効果は腫瘍の深達度に大きく依存するため、適切な症例選択が重要です。

PDTの副作用と後遺症について

PDTが医療現場で本格的に使用され始めたのは2002年頃です。当時使用されていた光感受性物質は「フォトフリン」という薬剤でしたが、この薬剤には日光過敏症を引き起こすという大きな課題がありました。

フォトフリンを使用した場合、治療後約1か月半という長期間にわたって日光を避ける「遮光期間」が必要でした。

この期間中に日光に当たってしまうと、皮膚に湿疹や水疱、強度の日焼けのような症状が現れます。日常生活において日光を完全に避けることは困難であり、フォトフリンを使用したPDT後には約40%の患者さんに日光過敏症が発生していました。

また、当時使用されていたレーザー照射装置「エキシマダイレーザー」も生産中止となったため、PDTは広く普及するには至りませんでした。

レザフィリンによる副作用の軽減

2012年頃から新しい光感受性物質である「レザフィリン」とPDレーザー装置を使用した臨床試験が開始されました。レザフィリンを使用することで、遮光期間は約2週間に短縮され、日光過敏症の発生率も10%未満に低下しました。

この改良により患者さんの負担は大きく軽減され、2015年にレザフィリンとPDレーザーを使用したPDTは保険適応となりました。

治療に伴う主な合併症

PDT治療に伴う主な合併症としては、以下のようなものがあります。

レーザー照射部位の食道粘膜に炎症が生じるため、治療後数日間は食事ができません。また、照射部位の浮腫や出血が生じることもあります。これらの症状は一時的なものであり、時間経過とともに改善します。

遮光期間中は室内照明の明るさを500ルクス未満に制限し、長袖・長ズボンを着用して日光への曝露を避ける必要があります。この期間を適切に管理することで、日光過敏症のリスクを最小限に抑えることができます。

PDT治療の実際の流れ

治療前日

入院手続きを行います。治療に向けた準備と説明が行われます。

治療当日

朝にレザフィリンを静脈内注射します。注射後4~6時間でがん組織にレザフィリンが集積するため、このタイミングで内視鏡を食道の患部まで挿入し、レーザー光を照射します。

照射時間は腫瘍の大きさや範囲によって異なりますが、通常は数十分程度です。翌日に照射部位の状態を確認し、必要と判断された場合は追加照射を行うこともあります。

治療後の管理期間

治療日から3日間は絶食となり、点滴による栄養管理が行われます。これはレーザー照射によって食道内に炎症が生じるためです。

その後、約10日間入院して経過観察を行います。入院中は通常の病室を使用しますが、遮光カーテンで室内を遮光し、蛍光灯の明るさも500ルクス未満に調整して日光過敏症の予防に努めます。

入院期間中は長袖、長ズボンを着用し、日中の外出は控えることが推奨されます。退院後も約2週間は同様の注意が必要です。

PDT治療の費用について

レザフィリンを使用したPDTは2015年に保険適応となったため、健康保険が適用されます。治療費は使用する薬剤の量や入院期間によって変動しますが、3割負担の場合で概ね30万円~50万円程度となることが多いようです。

高額療養費制度を利用することで、所得に応じた自己負担限度額まで医療費を軽減することが可能です。詳細な費用については、治療を受ける医療機関で事前に確認することをお勧めします。

PDT治療を受けられる医療機関

PDTは専用のレーザー装置と熟練した技術が必要な治療法であるため、すべての医療機関で実施できるわけではありません。国立がん研究センター東病院をはじめとする、がん診療連携拠点病院や大学病院など限られた施設で実施されています。

治療を検討している場合は、現在通院している医療機関の主治医に相談し、PDTが実施可能な施設への紹介状を作成してもらう必要があります。

食道がん再発治療におけるPDTの今後

光線力学的療法は、化学放射線療法後の食道局所再発に対する有効な治療選択肢として期待されています。

従来はサルベージ手術という困難な手術を受けるしか選択肢がなかった患者さんにとって、食道を温存しながら治療できるPDTは重要な選択肢といえます。

ただし、PDTが適応となるのは腫瘍の深達度が限定的な場合であり、すべての再発症例に使用できるわけではありません。適切な症例選択と、経験豊富な医療チームによる治療が重要です。

食道がんの治療方針は個々の病状によって大きく異なります。主治医とよく相談し、自分の状況に最も適した治療法を選択することが大切です。

参考文献・出典情報

国立がん研究センター東病院 食道外科 光線力学的療法(PDT)

国立がん研究センター がん情報サービス 食道がん治療

日本癌治療学会 食道癌診療ガイドライン

日本外科学会雑誌 食道癌治療に関する論文

日本消化器病学会 食道疾患の診療

医薬品医療機器総合機構(PMDA) レザフィリン添付文書情報

日本食道学会 食道癌診療に関する情報

厚生労働省 高額療養費制度について

PubMed 光線力学的療法に関する医学論文データベース

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG) 食道癌臨床試験

・・・・・・・・・・

本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

\ 無料ガイドブック、プレゼント中 /

がんを治すための「たった1つの条件」とは?

経験17年以上。プロのアドバイザーによる徹底解説。

闘病ブログはとても参考になると思います。
にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村

サポートを受けた患者さんの声

大腸がん(腹膜播種)遠藤さん|患者さんの声

遠藤です。 お世話になっております。 先週4/10(金)に両親と、妻との4人で病院へ行き、担当医に会ってきました。 本村さんが言われていたように、話がどういった展開になるか、少々心配していましたが、私たち子供が立ち会ったことも功を奏したのか、担当医は明朗に現在の状況を説明してくれました。 ガンの転移であるのかについては、今までの抗がん剤治療での経過の中で、部位が多少なりとも小さくなっていることにより、ガンであると判断するしかない、更に突き詰めるには、やはり腹腔鏡手術・開腹手術を行うしかないが、前回母が手術 ...

続きを読む

直腸がん(手術後経過)桑島さん|患者さんの声

長い間本当にありがとうございました!!! 昨年10月にご相談をしてから、早くも6ヶ月が過ぎました。 昨年1月に大腸がん(直腸)の再発に始まり、手術をし人工肛門にするか、肛門の温存又は経過観察にするべきか、悩み迷い、先生のアドバイスを受けました。 結果経過観察を選び、4月1日に6ヶ月目の検査を受診しました。 検査結果担当医より「良かったですね。肝臓に転移も無く、術後も綺麗ですね。」と先生の笑顔を初めて拝見しました。 私もとても嬉しかったです。10月の検査予約をして参りました。 本村先生へのお礼とご報告が遅く ...

続きを読む

子宮体がん(肝臓転移あり5㎜以下で2個~4個)佐藤さん|患者さんの声

(1)患者は私本人です (2)48歳 (3)北海道○○市 (4)肝臓癌 (5)10/23、CT検査。多分再発だろうと医師に言われました。 (6)2012年婦人科で「子宮内膜増殖症 異型」と診断され、ガンに移行するタイプなので設備の整っている病院を紹介され、そこで検査の結果、初期の子宮体癌と診断されました。 (7)2012年子宮、卵巣、リンパ節手術 半年位は、毎月血液検査、その後3ヵ月ごとになりました。CT検査半年ごと。今年の7月のCT検査で、微かな影(?)のようなものが認められ、10月にもう一度CT検査を ...

続きを読む

スキルス胃がん(手術前)本間さん|患者さんの声

本村さま お返事ありがとうございました。 本村さんのおっしゃる通り、知識をしっかり身につけようと思います。誰に聞けば良いのかわからない質問にまで丁寧に答えてくださり、ありがとうございます。 先日両親にガイドブックを渡しました。がんのことを家族で勉強したいと思います。これからもよろしくお願いします。 本間 【続き】 こんばんは。先日はメールをありがとうございました。 本村さんのおっしゃる通りでした。 それでも諦めきれず、以前から気になっていた食事療法の本を出されている先生のクリニックへ。 検査結果の資料一式 ...

続きを読む

肺がん(ステージ4)堀内さん|患者さんの声

本村さん こんばんわ 報告ですが○○病院の緩和病棟(外来)に行ってきました。とにかく今の吐き気が辛い事などを伝えましたが、大変親切に対応いただきました。 ○○病院の話も聞きたい旨を伝えましたが、快く賛成頂きました。結果的には、新しい吐き気止めを頂きました。(本村さんのおっしゃるとおりでした。) その薬を妻が飲み、吐き気はなくなったようです。本日(金曜日)、体調が良く吐き気がないので出社して経理の仕事をこなしていました。 ただ、車で30分。会社に着いてすぐもどしました。また退社寸前まで元気でしたが、帰る車内 ...

続きを読む

人気の記事

1

私(本村ユウジ)は身内をがんで亡くしてから、プロとして10年以上活動している、がん治療専門のアドバイザーです。

このページでは、がんを治すための「たった1つの条件」について明らかにしています。

2

標準治療(手術、放射線、化学療法)を批判する意見は多く、書籍も多く出版されています。 特に問題視されることが多いのが、抗がん剤などの薬物を使う「化学療法」です。 ...

3

2019年6月1日より、がんゲノム医療に関する「がん遺伝子パネル検査」が保険適応となりました。 テレビのニュースなどでは「がんゲノム医療が保険適応に」などとテロ ...

4

日本で最初に免疫チェックポイント阻害剤が使われたのは「2014年7月にメラノーマで承認されたオプジーボ(ニボルマブ)。 それ以来、様々な免疫チェックポイント阻害 ...

5

近年、医療関係者や患者さんの間で注目を集めている「がんゲノム医療」について、分かりやすく解説します。 専門用語が多く「いまいち理解できない」という方も多いこの分 ...

-06.食道がん
-

© 2025 がん治療専門のアドバイザー 本村ユウジ公式サイト・ブログ