肝臓がん(肝細胞がん)のほとんどはB型肝炎ウイルス、またはC型肝炎ウイルスで発症するといわれています。
治療法には、切除術、動脈塞栓術、経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼術、動注化学療法、放射線などさまざまな方法があります。
日本では現時点の肝細胞がんの治療法は肝切除術が第1選択です。
「肝癌診療ガイドライン」によれば、放射線治療「他の治療法が適応とならない病態では、(三次元照射による放射線治療を)検討しても良いが、十分な科学的根拠はない」とされています。
噛み砕いて言えば「どうすることもできない肝細胞がんの治療には、放射線をしてもよいが効果は保証できません」ということになります。
とはいえ現実的には肝細胞がんに対する三次元照射や固定照射による放射線治療は頻繁に行われています。総線量は30~70グレイです。
肝臓自体は血流が豊富で放射線感受性が高く、リスクを受けやすい臓器とされています。肝臓の耐容線量は30グレイです。
あまりたくさんの線量を当てられないため、おのずと効果も限定的になってしまう、ということです。
現時点で放射線治療の使い道として最も期待できると考えられているのは「カテーテル技術を用いた動脈塞栓術の後に定位放射線治療を追加する」という方法です。