腎臓がんは、近年、職場健診や人間ドックで、よく発見されるようになってきました。
腎臓は、身体の奥まったところに位置するため、また、病変が小さいうちは、これという症状が出にくいために、初期の段階で発見されることはあまりありませんでした。
血尿や脇腹の痛み、あるいは、大きくなった腫瘍に体外から触れたり、肺や骨の転移による症状から見つかることが多かったのですが超音波断層法(CT)が一般の検診で用いられることが増え、状況が変わりました。
以前と違い、通常の検診発見される、ということが増えました。腫瘍の径が、3cm以下の小さながんでも見つかるようになり、早期発見が可能になりました。
な、腎臓がんは、小さなうちであれば予後のよいがんです。
また、腎臓は他の臓器と違って左右2つあるため、1つを取っても、生活にたちまち支障を来すということにはなりません。生活の質に多大な影響はでません。
腫瘍がごく小さいものであれば、部分切除といって、腫瘍を含む腎臓の一部のみを切除することも可能です。切除が無事にできれば再発しにくいのも特徴の1つです。
いっぽう腎臓がんは、大きくなったり、転移した後の予後はあまりよいとはいえないがんです。
比較的ゆっくり進行するがんですが、腎臓には血液を濾過するために血管がたくさん集まっていますので、がんが大きくなると血液を介して全身に転移しやすくなるので、この点に注意が必要です。
大きくなるほど転移しやすくなります。転移しやすい臓器としては「肺・副腎・肝臓・骨・脳」が挙げられます。腎臓がんは、がんが大きいか小さいかによって、その後の治療が変わってきます。