腎細胞がん(腎臓がん)は他の泌尿器がんと同様、男性に多いがんです。
男性の方が2倍以上かかりやすいがんといわれます。50代から70代に多く見つかり、60代後半から70代前半が発症年齢のピークです。
発症数は増加傾向にあります。それでも、欧米に比べるとまだ少ないのですが、他のアジア諸国に比べると日本の罹患率は多く、欧米化したライフスタイルとの関係が指摘されています。
腎臓は、背中側の腰、みぞおちの後ろあたりに左右1つずつあります。大きさは12cm程度、ちょうど握り拳くらいです。
この腎臓の働きは大切で、体中の血液が尿細管という管をくぐって濾過されて尿が作られます。この尿細管が集まって腎胚になり、その後、腎盂を経て、尿管に流れこみ膀胱に集まります。濾過が腎臓の仕事の1つであるため、腎臓が働かなくなったら人工透析が必要になります。
もうひとつ、腎臓には重要な機能があります。それは、血圧の調整や赤血球の産生に大きく関わっているということです。
ただ腎臓は、2つありますから、健康な腎臓が1つ残せれば切除の影響が少なく抑えられるという特徴があります。腎臓がんは、抗がん剤がほとんど効かないこともあり、いずれにしても治療の基本は手術となります。ただ、近年になって、転移後の分子標的薬の開発に進展が見られ、治療体系に変化がでてきています。