肺がんの治療後は、副作用や合併症の心配があります。治療後間もない期間は病状にあわせて1~4週間に1回、外来を受診してからだの状態のチェックが必要です。
このチェックは手術を受けた病院でも、自宅近くの病院でも可能ですから、必要に応じて主治医に相談しましょう。副作用や合併症は、治療後数カ月たってからあらわれるものもあります。特に、治療後3カ月くらいまでは注意が必要です。
肺がん初期治療後の定期検査の内容
肺がん治療後は3~6カ月に1回の定期検査を受けるよう勧められます。定期検査では血液検査や画像検査、気管支鏡検査などをおこないます。
血液検査では血球数や肝機能、腎機能、腫瘍マーカーなどを確認し、全身状態や副作用、再発・再燃の状態をチエックします。X線検査やCT検査などの画像検査ではがん病変の状態をチェックし、再発・再燃の状態を確認します。
気管支鏡検査は、6~12カ月に1回おこなう場合があります。肺のがん病変の状態を直接確認します。定期検査で副作用や合併症、再発・再燃が確認された場合には適宜精査し、治療をおこないます。
がん治療では「治療後5年間、再発や再燃が認められない」ということが、完治の目安となっています。(目安なので5年以上経過して再発があることもあります)
肺がんでは、治療後2年以内に再発や再燃が起こりやすいといわれています。再発・再燃した場合には治療が難しくなりますが、早期に発見して早期に治療をおこなうことが大切です。
肺がん治療後はがん病変が消失し、副作用や合併症がない状態がつづけば日常生活を送ったり、働いたりすることもできます。しかし、治療前と比べて体力や免疫力が落ちているので、無理せずにゆっくり社会復帰していきましょう。
退院前から散歩をするなど、少しずつからだを動かし、慣らしていくことが大切です。
肺がん治療後の肺へのケア
手術で肺を切除した場合には肺が小さくなっているため、息苦しいことがあります。ゆっくり腹式呼吸をして、新しい肺の状態に慣れていきましょう。場合によっては医師に相談のうえ、酸素吸入用の機械(在宅酸素療法)を使うこともできます。
また、肺炎などの感染症にも注意が必要です。うがいや手洗いをまめにする、部屋では湿度を保つ、入ごみを避ける、インフルエンザ予防接種を受けるなど、肺に負担がかからないように予防を心がけることが推奨されます。特に禁煙は重要です。
以上、肺がんの定期検査についての解説でした。