肺がんの手術では、がんが確認された部分、がんが強く疑われた部位をすべて切りとることが目的です。つまり、がんのある部分とその近い組織だけを対象にする局所的な治療法です。
必要に応じて、術中にリンパ節の切除や気管あるいは気管支の再建をおこなったり、術後に化学療法をおこなったりする場合もあります。
手術ができる条件は一般には早期の肺がんだけです。そして、その基本的な条件は、
1.がん細胞が片側の胸にしか存在しないこと
2.リンパ節に転移していても、その範囲が肺のごく近くまでであること(同側肺内リンパ節転移、同側縦隔リンパ節転移)です。
このため、手術が可能な肺がんはステージI期からⅢ期の非小細胞がんとなります。これ以外としては、一部のがん(パンコースト腫瘍、胸壁浸潤型など)でも手術をおこなう場合があります。
手術の適応があるかどうかは、CTなどのいろいろな検査をおこなって調べます。なお、病期分類では早期でも、肺の機能や全身状態が低下している場合は、手術がおこなえない場合もあります。
以上、肺がんの手術についての解説でした。
肺がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。