子宮体がんとは
子宮の病気のうち、がん(悪性腫瘍)は、発生した場所から「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2つに分けられます。同じ子宮に発生するがんであっても、この2つは、がんの性格や発生する年齢、原因や仕組みから診断・治療方法にいたるまですべて異なります。
子宮体がんとは子宮体部(骨盤腔内に突き出す部位で、妊娠すると胎児が発育する場所)に発生するがんです。子宮体がんは「子宮内膜がん」とも呼ばれるように、子宮の最も内側にある子宮内膜から発生するがんですが、いくつかのタイプがあります。
「子宮内膜(腺)がん」が大部分(85%以上)ですが、ほかに「子宮体部がん肉腫」や「子宮内膜間質肉腫」などがあります。また、子宮内膜の直下にある子宮筋層から発生するがんは「子宮平滑筋肉腫」といいます。
がんはタイプが異なると、効果のある治療法なども異なります。子宮体がんと診断されたら、必ずそのタイプも確認するようにしましょう。
子宮体がんの原因
日本では、以前は今に比べればたんぱく質や脂肪の摂取量が少なく、衛生状態も不良(お風呂に入る回数が少ないなど)であったり、かつ分娩回数が多かったため「子宮頸がん」のほうが圧倒的に多いのが特徴でした。
しかし、最近は食事の欧米化や、結婚年齢が高く子どもを産む回数が減るなどのため、それらを原因として子宮体がんが急増しているという背景があります。また、子宮体がんは、若年者の無排卵性月経や閉経前後の女性ホルモンの作用が発症の誘因になります。
以上、子宮体がんに関する解説でした。