【レジメン】
CBDCA(カルボプラチン)=30mg/m2:点滴静注(30分)
放射線照射
・放射線治療は週5回、2Gy/Day、計60Gy(30回)照射する
・CBDCAは放射線照射日のみ点滴(施設によって照射日は異なるため確認が必要)
・CBDCAの投与は最初の20回のみ併用して、残り10回は放射線単独の治療となる
・CBDCAは放射線治療の1時間前に点滴終了とする
【制吐対策】
CBDCAは中等度催吐性リスクの薬剤であるが、低用量であり制吐薬は未使用で実施される場合が多い
※連日投与における予防的制吐薬の使用についてのエビデンスは確立されていない
基本事項
【適応】
高齢者切除不能局所進行非小細胞肺がん StageⅢ期
【奏効率】(JCOG0301試験)
・奏効率
51.5%
・無増悪生存期間(中央値)
8.9カ月
・全生存期間(中央値)
22.4カ月
・1年生存率
55.9%
【副作用】(JCOG0301試験)
・好中球減少:Grade1=10.4%、Grade2=20.8%、Grade3=34.4%、Grade4=22.9%
・血小板減少:Grade1=18.8%、Grade2=23.9%、Grade3=29.2%、Grade4=0%
・貧血:Grade1=27.1%、Grade2=34.4%、Grade3=4.2%、Grade4=1%
・発熱性好中球減少症:Grade3=2.1%、Grade4=0%
・悪心:Grade1=19%、Grade2=2.1%、Grade3=0%、Grade4=0%
・食欲不振:Grade1=36.5%、Grade2=7.3%、Grade3=1%、Grade4=1%
・皮膚炎:Grade1=54.2%、Grade2=2.1%、Grade3=0%、Grade4=0%
・倦怠感、疲労:Grade1=35.4%、Grade2=2.1%、Grade3=0%、Grade4=1%
・肺臓炎:Grade1=13.5%、Grade2=6.3%、Grade3=1%、Grade4=0%
レジメンチェックポイント
①CBDCAの投与量の確認
通常CBDCAの投与量はCalvertの式より算出されるが、本治療においては体表面積あたりの投与量で計算されるため注意する
②CBDCAの投与タイミング
臨床試験のときにはCBDCAは放射線治療の1時間前に点滴静注終了とされていたため、放射線治療の時間を考慮して投与タイミングを調節する。CBDCAは生理食塩液に希釈後8時間までの安定を示すデータはあるが、放射線治療のタイミングによっては調製時間の調節が必要である
③併用薬の確認
CBDCA:腎毒性および聴器毒性を有する薬剤(アミノグリコシド系抗菌薬等)との併用で腎障害および聴器障害のリスク増大
副作用対策と服薬指導のポイント
①骨髄抑制:手洗い・うがいなどの感染予防対策の指導を行う
②放射線肺臓炎:照射時期よりも遅れて生じてくる場合が多いため、治療終了後も発熱・咳・呼吸状態の変化などを発見したら速やかに医療機関に連絡するように指導する